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販売促進費、広告宣伝費の考え方。予算はどうとる?どう使う?1【no.0666】

 販売促進費、広告宣伝費の考え方。予算はどうとる?どう使う?

*販売促進費と広告宣伝費の考え方について

 お客様をネットショップ・WEBサイトに呼び込むための広告宣伝費。そしてお客様により商品・サービスを利用してもらうための販売促進費。明確な言葉の定義や守備範囲は正直私もうまく説明ができません。しかし、「お客様のを活性化させる」ための費用を「販売促進費」と表現します。

 仮にAという商品があるとします。運営者としては商品Aをたくさん販売して、ショップのヒット商品に成長させたい。モールに出店しているならば、ショップにアクセスしてもらう「導線」にもなります。商品Aを知ってもらうことから、ショップの存在を知ってもらうようにもなります。ユニクロにとってのフリース、ヒートテック。ジャニーズにとっての嵐やキンキキッズみたいなものです。ブランドをつくってくれる商品をいつでも事業主は求めています。

 できれば「お金を使わずに、頭を使って、汗水を流して」商品Aを売っていくのが理想。しかし、成長フェイズと成長スピード、そして市場の状況、特定商品の落とし込みをする場合、どうしても販促(広告)予算が必要になります。まずはどのようにして販促(広告)予算額を想定するか、から話をはじめます。

*覚えておきたいふた通りの予算の取り方

 ふたつの条件をシンプルにして解説します。

①.
商品Aから生まれる利益をまるっと予算にする考え方です。

仮に商品Aの販売価格が10,000円、商品原価率が4,000円だとします。このとき、利益は6,000円になります。この6,000円をすべて販促(広告)予算に回します。もしも、商品Aの販売を100コ見込んでいるとすれば、販促(広告)予算額は60万円ということになります。

 この場合、商品Aを100個販売した段階で利益は出ません。商品Aを買ってくれたお客様が他の商品を買ってくれる。商品Aを買ったお客様の「顧客リスト」が手に入る。また、利用者が増えて認知度が上がる。モールならば、商品ページ閲覧数・購入数が上がることで検索順位とランキングが手に入る。そのあたりの「副作用」を狙うことになります。

*先に想定される売上を予測し予算を算出する

②.
先に想定される売上を予測し、そこから商品原価や固定費、物流費などの営業経費を引いて、販促(広告)予算を決める方法です。

たとえば、商品A販売開始後、初月の売上を月商1,000円と予測します。ネットショップ全体の商品原価率が40%、物流費率が10%、システム利用料率(カード決済など)が10%、固定費が20%とすると、20%が残ります。この20%=月商1,000万円に対しての200万円が販促(広告)予算として取れる限界値です。

 この場合販促(広告)予算は200万円まで可能になります。ただし、あくまで月商1,000万円まで到達することを想定した上での費用感です。広告をハズした場合、赤字になります。また「小売り」のショップの場合、想定商品原価率40%は緩そうです。「小売り」のショップだと商品原価率は50~60%が通常でしょう。そう考えると、販促(広告)予算は半分に減ることになります。やはりEコマースは商品を作れる(商品原価率が低い)会社が有利ですね。

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カテゴリー: 0.ECMJコラムALL, 3.Eコマースの収益アップ

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石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。