ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

潜在顧客、見込顧客、新規顧客、既存顧客。引き上げの4ステップ。【no.0188】

 潜在顧客、見込顧客、新規顧客、既存顧客。引き上げの4ステップについて。

 Eコマース事業を進めるときどのようなネットショップが理想的か。もし、そう問われれば「商品が1つしかないネットショップ」と答えます。商品が1つだけのネットショップというと、健康食品や美容商材のイメージですよね。ある意味、めちゃめちゃ魅力的なビジネスモデルです。

商品が1つだけだと“良いこと”ばかり

 まず、商品が1つだけだと、在庫管理が非常に楽です。たとえばダンボールでの商品管理、棚での商品管理を想像してみてください。一定の基準で商品を収納しておけばひと目でどのくらいの在庫があるかわかります。ダンボール1箱で100個、棚は1列で10個、ダンボールが3箱で棚に5列あるから今の在庫数は350個だな、みたいな感じですね。仮に毎日在庫をチェックできれば、毎日決算・毎日棚卸の仕組みもラクチンになります。

 商品が1つだけだと発送が非常に楽です。当然、存在する商品全てが同じなわけですから、商品の入れ間違いがありません。商品をピッキングする必要もありません。お客様が購入した数を間違えなければ、発送作業はサクサクと進んでいきます。また同じ商品ばかりの発送なので、発送資材も同じサイズで対応することができます。同じ梱包資材を大量に購入することで、コストダウンにも繋がりますよね。

商品が1つだけだとコストがガンガン下がる

 さらに、商品が1つだけだと仕入れが非常に楽です。1つの商品を大量に仕入れることになるので仕入れのコストを下げることができます。自社で製造している商品であれば素材や材料を一括で購入することができます。製造コストを大幅に下げることが可能です。原価率を圧倒的に下げることができるわけです。

 また、商品が1つだけだと売れ残り(デッド在庫)が出る可能性がなくなります。たとえ返品があったとしても、封が開いていなければまた出荷することができます。たとえば、ジュエリーのお店で30号の指輪(かなりデカい)を購入したお客様が返品してきたとしたら、ほぼデッド在庫になります。しかし、商品が1つだけならその心配もありません。

潜在顧客集めは広告では費用対効果が合わない

 さあ、商品が1つの場合のネットショップの戦略です。1つしか商品がないわけですから、「いかに既存のお客様にリピートし続けてもらえるか」「いかに新規のお客様を獲得するか」が重要なポイントになります。

 マーケティング(潜在顧客、見込顧客、新規顧客、既存顧客)の引き上げステップは4つです。

①潜在顧客を集めること

②潜在顧客を見込顧客に引き上げること

③見込顧客を新規顧客に引き上げること

④新規顧客を既存顧客(リピート顧客)に育てること

 従来の戦略では、「潜在顧客を集める」と「見込顧客に引き上げる」が混在していました。合わせて「見込顧客を集める」になっていたのです。しかし「見込顧客を集める」に広告を投下しても費用対効果(ROI)は合いません。あくまで必要なのは「潜在顧客を集める」です。こちらは広告投下ではなくメディアでの情報発信によってカバーするところになります。

 上記の4つのステップを考えます。メディアサイトにアクセスした潜在顧客数。メディアサイトでの「お試し」を利用した見込顧客数。正規商品を購入した新規顧客数。正規商品をリピートした既存顧客数という4つの数字。この数字に伴う「潜在顧客→見込顧客」「見込顧客→新規顧客」「新規顧客→既存顧客」という引き上げが成果達成への指標(KPI)になるわけです。

 指標の設定後は、実際にネットショップを運営して、データ分析しながら最適化を図っていきましょう。

【合わせて読みたい】
CRM/SFAをマーケティングに活用する。その1【no.1725】
既存顧客に向けたCRM戦略のポイント。【no.0207】
1:5の法則(シナジーマーケティングさん)

カテゴリー: 0.ECMJコラムALL, 3.Eコマースの収益アップ

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石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。