ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

Eコマース事業の成長を加速させるための「実行数値管理表」を活用しよう。後編【no.0788】

 「実行数値管理表」を活用してEコマース事業を加速させよう。(前回はこちら

 前回はネットショップの運営に活用できる「実行数値管理表」の8つの項目をお伝えしました。エクセルの作成ができたらいよいよ運用です。以下の手順で運用をスタートしてください。

1.毎朝、5つの数字項目をエクセルに入力する。(個人)

 「実行数値管理表」における「売上」「アクセス人数」「受注件数(注文件数)」「転換率(コンバージョン)」「客単価」の5つの項目に数字を入力します。ネットショップのシステムや受注データベース、Googleアナリティクスのデータを抽出しておこなってください。

 ここでのポイントはEコマース事業に関わるメンバーがそれぞれ個人でエクセルを管理し、数字を入力するということです。代表者が数字を入力するというケースもありますが、個々人で数字を調べ入力することで日々変化する数字に対しての意識が高まり、共通言語化が図れます。

2.前日おこなった施策を書き出す。(個人)

 こちらも個人でおこなう作業です。ネットショップの運営について前日おこなった施策やカイゼン策、お客様へのアプローチを「施策/改善」という列に書き出します。

 新商品を追加した。メールマガジンを流した。DMを送付した。送料無料のキャンペーンを始めた。検索対策をおこなった。などなどのアプローチを書き残します。物流やカスタマーサポートなど、いわゆるバックヤードの仕事を担当している方も、「お客様の質問にこう答えた」など記しておいた方が良いでしょう。

3.チームで10分間、前日の数字について話す。(チーム)

 ここではじめてネットショップを運営しているチームで集まります。議題はすでにエクセルに入力している5つの項目の数字が「なぜその数字だったのか?」です。

 特に数字が跳ねている(上がっている)日であれば「なぜ数字が跳ねたか?」が議題になります。また数字が他の日に比べて動いていなければ、「数字の内訳は同じなのか?」というような議論もできるでしょう。数字という「結果」に対しての「要因」「原因」を話し合いながら探していくのが3の作業です。

4.前日の数字になった理由を書き出す。(チーム)

 ネットショップの運営チームメンバーで10分間のミーティングをおこない、「昨日はこういうことがあったから、こういう数字だったんだろうね」ということをまとめます。その「要因」「原因」として考えられることを「理由/特筆事項」という欄に書きます。

 自分たちがお客様に対しておこなったアプローチが数字につながっている場合もありますし、自分たちがおこなっていないことが数字に大きな影響を与えている場合もあります。まだ自分たちが気付いていない「潜在需要」「潜在ニーズ」を探していってください。

 「実行数値管理表」の運用は以上です。1~4まで、毎朝たった15分でおこなえることです。ぜひ取り組まれてみてください。

 この「実行数値管理表」は1年365日取り組むことで必ず成果が出ます。ただし、必ず成果を出すために外してはいけない重要なポイントがあります。それは「毎日やること」です。毎日、毎朝、習慣としておこなうことでネットショップ運営の因果関係を読めるようになっていきます。とにかく継続すること。それを忘れないでおいてください。

 ECマーケティング人財育成のコンサルティングでも、まず最初にやっていただくことが「実行数値管理表」の作成と運用です。Eコマース事業とEコマースチームを成長させ、Eコマースを会社の新しい柱に育てたいならば、何よりも最初に取り組んでおくことをオススメします。

 おわり。

 

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ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。