ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

Eコマース事業をまずは3年間、期限を区切って徹底的に努力をしてみる【no.0774】

 Eコマース事業をスタートしたとして「いつ結果がでるのか」というのは、まだ本格的にEコマース事業に力を入れていないすべての会社が気にされるところです。

 すぐに黒字になるならやりたい。1年以内に月商500万円まで届くならやりたい。成功や成長の指標は様々ですが、すべてのビジネスと一緒で「こうやればこうなりますよ」というのはありません。すぐに黒字になるかも、1年で月商500万円に届くかもわからないわけです。

 まずは、3年間、徹底的に努力をしてみましょう。3年間と期限を区切っていれば、投資する金額の目途がつくはずです。これが1年だと、季節要因でのチャンスを参入タイミングにより失ってしまう可能性があります。また、市場の環境を理解して新しい商品を企画・製造・販売するのも、3ヶ月や半年でできることではないでしょう。5-6回はカイゼンを積み重ねないと、市場での可能性の有無はわかりません。

 Eコマース事業が成功するか。極端にいえばそれは「自社の努力次第」なのですが、ここは「成功するか」よりも「失敗しないか」の観点から考えるのが良さそうです。「成功するか」はわかりませんが、「失敗しないか」は明確にこたえることができます。

 市場があるかないか。

 例えば、コーヒー豆の専門店があったとして、ネットショップでの販売を検討していたとします。「うちのネットショップは成功しますか?どれくらいの売上になりますか?」という質問ははっきりこたえられません。

 ただ、Eコマースにコーヒー豆の市場は間違いなくあります。月に500万円や1,000万円はありません。数十億円というレベルでしょう。数百億円の可能性もあります。少なくともリアルも含めれば数百億円はありそうです。

 その中から、たった1%のシェアをとれたとしても月商数千万円です。0.1%でも月商数百万円になります。市場があれば、売上を伸ばすことは可能です。あとは「商品力×提案力×集客力」です。

 もちろん、いまは市場がなくても、将来市場ができる見込みがあり、自社でそのときまで努力を続ける覚悟があるという場合は別です。

 商品がオリジナルであるか否か。

 すでにEコマースの市場に出回っているものだけを販売するネットショップは参入を控えた方が身のためです。基本的にはサービス競争・価格競争になるので大資本に負けます。商品は自社のオリジナルで、販売価格が自社で操作できることが理想です。販売価格と利益率が競合他社に引っ張られるようでは、後発は明らかに不利になります。

 商品がオリジナルでない場合、唯一突破できる可能性があるとすれば、ネットショップ運営者(多くの場合は店長)のキャラクターです。サービス競争や価格競争で勝てなくても、店長のキャラクターは真似ができません。ブログやメールマガジンを活用して、「店長:●●のネットショップです」を売りにすることができるでしょう。

 ともあれ、極端な話をすれば「ネットショップ専売の商品開発をする」気持ちさえあれば、「成功するか否か」に関わるすべての課題を解決することができます。大切なのは、ネットショップを始める前ではなくネットショップを始めた後です。Eコマース事業をスタートした時点では、勝ち負けは決まりません。日々の運用カイゼンで「成功するか否か」が決まります。

 そう考えると、インターネットの「データを取って、毎日カイゼン」を理解することこそが、「自社のEコマース事業は成功するか否か」という疑問のこたえになるのかもしれません。ネットショップを立ち上げた後、いくらでもショップをカイゼンしていけるのがEコマースであり、カイゼンし続けるのがEコマースであるわけです。

 おわり。

 

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ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。