ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

LINEモールはヤフーオークションに似ている!?はたしてその仕組みはどうなりそうか、私ならこうする。前編 【no.0023】

■昨年はポンパレモール、今年はLINEモールの企画が‥!

 ネットショップの店長をしていた頃は、9月に入ると年末年始のことを考え出していたなぁ。OEM商品の納期が2ヶ月~3ヶ月だったので、年末年始のためにどれくらい在庫を仕込むか、考えなくてはいけなかったのです。さすがに、在庫を積めばそれだけ勝手に売れていってくれるというのはないので、同時にショッピングモールの広告担当と年末年始の広告戦略について話をしなくてはならない。広告の担当さんは喜んでいろんな提案を持ってきてくれるし、その効果も夢いっぱいな感じで説明してくれるのですが、正直すべての広告がそんなうまくいくわけがないし、競合他社がどんな広告にどんな商品を当ててくるか、どの期間に最も力をいれてくるのか、そんなことはわかりません。ある程度の効果は、過去の実績や価格と流入数のバランスを見ればなんとなく読めてくるのですが、競合他社のことは逆立ちしてもわからないので(実際はなんとなく読めるとしても)基本的にスルーですね。ショッピングモール側の担当さんに探りを入れてもらったりはしますが。まあ、自分のところの商品力と、集客を読む力がきちんとあれば、競合他店のことは気にしなくて大丈夫だろう、という考えです。考えたって仕方ないですからね。

 昨年のこの時期にリクルートが運営するポンパレモールというショッピングモールの開設がリリースされて、今年の3月にオープン。なかなか苦戦をしているようですが、今年は無料通話アプリのLINEがショッピングモールをつくるという話題が上がってきました。まだまだ世界中でLINEユーザーは増えているようですし、世界中のユーザー向けにスタンプ(テキストメッセージに挿入できるイラスト)を売った方が儲かるんじゃないかなぁーと思うんですが、とにかくショッピングモールをやるみたいです。スタンプは、キティちゃんとかワンピースとかライセンス料はかかるのでしょうが、一回イラストをつくれば無限に売れますからね。しかもネットショップみたいに実在庫を抱える必要がないという、素晴らしい商品。そっちに注力した方がいいんじゃないかと思うんですが、とにかくやるようです。ということで、すでに明らかになっている情報と、「LINEモールの仕組みはどうなりそうか、私だったらこうする」を書いてみたいと思います。

■事実関係を共有しましょう‥!

 まず、LINEモールについて、判明している情報を並べてみましょう。(連載をしている日本ネット経済新聞さんヨリ)

・出店費用や月額費用は必要とせず、売上高に対する手数料を収益の柱とする。
・決済はLINEが仲介し、購入商品の未達、代金の未収金などを防ぐ仕組みを構築。
・法人だけではなく、個人も商品の売り主として参加できる。
・「LINE」と連携する。

 と、こんな感じです。現状明らかになっているのは、このような出店者(ネットショップを出す側)の情報が中心です。LINEユーザーにいかにして、LINEモールを使ってもらうか、そこのビジネスモデルについての情報はまだ無し。

■う~ん。ヤフオク!に似た仕組みだろうか‥!?

 ザザっと条件を見て、似たタイプとしてイメージできるのがヤフオク!(旧ヤフーオークション)かなと思います。ヤフオク!の場合、出店費用や月額費用、出品費用がかかりますが、売上に対するロイヤリティの支払いという点は同じ。決済はLINEが仲介ということで、イメージされるのはヤフオク!の「かんたん決済」ですね。カード決済し、商品が届いたのち、落札者からの通知で出品者に入金される、という。売上に対するロイヤリティの他にも、カード決済の機能からも収益が発生する仕組みですね。法人だけでなく、個人も売り主になれるという点も、ヤフオク!と近いですね。ヤフオク!の場合はもっぱら個人の売り主によって盛り上がっている感じがありますが。

 そして、ヤフオク!と近いイメージを持った理由は、「出店ではなく、出品」というイメージになるだろうと。Amazonなんかも似たような感じなんですが、一応ネットショップとして店構えは構えるものの、お客さんはショップにほとんど触れることなく、商品を探して購入していくので、売り主としては出店というイメージでも、実質的には出品、ということになります。ヤフオク!も一緒。Webビジネスにある程度精通していれば法人と個人の違いくらいはわかるのですが、そこを意識して購入はしないでしょう。Amazonで中古の本を買ったとしてもどこのショップで買ったかなんて、全く覚えてないでしょう。さらに、LINEのユーザーはスマホのユーザー。つまり、スマホの小さな画面で商品を探し、商品を購入していくわけだから、ショップとして覚えてもらうことはおそらく不可能。おそらく、売り主側から購入者へのメールマガジンとか、能動的なアプローチができることもないかなと思います。LINEモールからのメールということで集約されるでしょう。私だったらそうしますね。Amazonと同じ方式です。

 モバイル端末のショッピングモールというと、DeNAのビッダーズモールが有名で、こちらのシステムは楽天市場やヤフーショッピングのように出店型なんですが、Web制作という点において、やはり個々のショップの運営者のスキルに依存するところがありました。ショップによってページのつくり方がガチャガチャで、お客さん側からすると何が何だかわからなくなってしまうんですよね。ショッピングモールとしてはそれはそれで良かったのかもしれませんが、やはりAmazon方式で写真を数枚と、価格・スペックなどの基本情報だけをテキストで入力してもらうような仕組みにしたいですね。HTMLを出店者に触らせるのはハードルが高いです。しかもスマホだし。そんな必要はないでしょう。

続きはこちら。
「LINEモールの仕組みはどうなりそうか、私だったらこうする」後編

 

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石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。