ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

「負のサイクル」に入ったときに手を抜いたり、放置したりしないことが大事【no.1271】

 ネットショップの運営は「泣き笑い」です。

いいときもあれば悪いときもある。それが極端なときもある。

自分自身がネットショップを運営していたころを思い出すと、月初に売上がゼロからスタートするのがイヤでした。前月に予算目標を達成したとしても、今月が始まればまた売上ゼロ円からのスタート。今月はいくらになるのか、今月はお客様に買ってもらえるのかと毎月不安でした。

 そしてネットショップの「泣き笑い」は極端です。

先月の月商が1,000万円でした、そして今月の売上は700万円でした、なんてこともザラです。季節性やトレンド性、クリスマス需要などがまったく関係のない平月でも20%から30%の売上の増減は普通に起こります。実店舗を運営している会社さんがEコマース事業を始めると、そのことに驚かれるのではないでしょうか。

ネットショップは売上が上がるとより売上が上がります。売上が下がるとより売上が下がります。「正のサイクル」と「負のサイクル」を繰り返しながら成長をしていくのです。

 ネットショップにお客様が集まる、ネットショップの商品が売れる。

そうするとインターネット上での発信力が強化されます。ネットで検索したときの表示順が上がったり、商品レビューが付いたりすることによって、さらなるお客様のアクセス増につながったり、さらなるお客様の信用アップにつながります。そうするとまたネットショップにお客様が集まって、ネットショップの商品が売れて―――という、これが「正のサイクル」です。

逆に、ネットショップにお客様が集まらず、ネットショップの商品が売れない場合。インターネット上での発信力が弱まっていきます。ネットで検索したときの表示順が下がりますし、商品レビューもつきません。競合他社にアクセスも受注も集まるようになってしまいます。そうなるとさらにネットショップからお客様の足が遠のき、商品が売れなくなって―――という「負のサイクル」がおきます。

ネットショップは「売上の差」がどんどん広がっていく世界なのです。ネットショップの運営担当者の力が「100」のネットショップと、運営担当者の力が「90」のネットショップがあったとします。このふたつのネットショップ、売上も実力どおり「月商1,000万円」と「月商900万円」になるかといえばそうではありません。「月商1,500万円」と「月商400万円」のネットショップになってしまうのが現実です。

ここでいいたいのは、ネットショップが「売上の差」が開きやすい世界だということだけではありません。「月商1,500万円」のネットショップと「月商400万円」のネットショップの実力の差は、実は「100」と「90」くらいしかなかったりするということです。なので、きちんとした努力を積み重ねていけば「90」の実力が「110」になったときに、「100」のネットショップを逆転することも可能です。月商の差に比べて、実力の差はわずかです。

ネットショップの運営は「泣き笑い」です。いいときもあれば悪いときもあります。大切なのは、ネットショップが「負のサイクル」に入ってしまっているときに運営の手を抜いたり、運営を放置したりしないことです。「データをとって、毎日カイゼン」を繰り返せば、必ず次の「正のサイクル」に向かうヒントが転がっているはずです。Eコマース特有の大きな数字の変化に過敏になりすぎないようにしてください。運営を続けるための気持ちがもたなくなります。

おわり。

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ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。