ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

今年度は「本気」でネットを活用!Eコマース戦略概論。その3【no.1312】

前回はこちら

 前回は<1.マーケティングの原理原則、市場環境の変化>について解説をしました。Eコマースの市場は「買いたい人」より「売りたい人」が多い時代になっていること、そして市場環境はもう元には戻らないこと、マーケティングの考え方をガラリと変えなければいけないこと、などを紹介しました。3回目は<2.実行数値管理表の活用>です

<2.実行数値管理表の活用>

*なぜデータを活用しなければいけないのか。

 デジタル時代のマーケティングはデータの活用がポイントになります。いかにしてデータを集め、集計し、次のアクションに繋げていくのか。仮説の精度が高いほど、回転のスピードが速いほど、デジタルの世界では成功に近づきます。

 データは日々自分たちがおこなっているマーケティング活動が「成果が出ているのか、出ていないのか」を判断するための「コンパス」です。データは宝の地図ではなく「コンパス」です。データを見れば何かがわかるのではなく、データをみて検証をするのです。データ活用は「現状把握」ではなく「成果検証」で、そう覚えておいてください。

*「データを活用する」というのはどういうことなのか。

 多くの方がデータ活用の概念を間違えています。小学校や中学校にデータ活用、データ分析の授業はありませんでしたから、日本人の大人に「データ活用の土台」がないのは仕方がないことなのかもしれません。

 「データを活用する」ということは、データをみることではありません。その本質はデータの裏側にある「原因」を探すことにあります。データというのはある事象が数字になった「結果」です。世の中には「結果」があれば「原因」があります。Eコマースのデータという「結果」にも、必ずその結果をもたらした「原因」が隠されています。

 「結果」を引き起こした「原因」を探すこと。これこそが「データを活用する」ことの本質です。データの活用のポイントはデータをみることではなく、「何があったのか」「何をやったのか」その原因をおさえておくことにあるのです。

*「実行数値管理表」を毎日使う。

 そこでECMJが推奨している「実行数値管理表」の登場です。この「実行数値管理表」は、日々ネットショップの運営を進めていく中で、運用改善の施策がどのようにデータに結びついているかを感覚的に知るためのツールです。運用改善の施策が「原因」、データが「結果」です。「実行数値管理表」を使うことで、Eコマース事業の因果関係を探ることができます。

 「実行数値管理表」は毎日、毎朝、活用することで価値があります。「データをとって、毎日カイゼン」とは、前日のアクションとデータを元にして翌日にアクションを起こすための仮説を立て、実行することです。これを昨日、今日、明日と毎日続けていきます。

 Eコマース事業とはシミュレーションです。仮説を立て、改善をして、データを見る。そして自分が立てた仮説が成功に近いか否かを探っていきます。「何をやるか」を考えるよりも「やったことが良かったか」を数字で判断する力の方が大切です。「なんで数字が変化したのかがわかれば、どうすれば数字が変化するのかがわかる」この考え方で運用改善を進めていきましょう。

 「やること」がどれくらいの効果があるかははっきり言ってわかりません。ただ、「やったこと」がどれくらい効果があったかはすぐに知ることができます。

 ―――では次回の4回目は、<3.集客の概念、ブログの価値>について解説をしていきます。

 つづきはこちら。

 

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ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。