ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

今年度は「本気」でネットを活用!Eコマース戦略概論。その7【no.1318】

前回はこちら

 前回は<5.差別化、付加価値の考え方>について解説をしました。インターネット上のWEBサイトの数は半永久的に増え続けます。ネットショップもしかりです。その中でいかにして「違い」を出していくか。また、小売りのEコマースで勝ち残るためには「小売りの商売勘」を活かすことが大切だということを紹介しました。6回目は<6.商品企画の考え方>です。

<6.商品企画の考え方>

*Eコマースの市場での売れ筋を理解する。

 商品企画については本来、コンサルタントが云々いうところではないと思っています。商品やサービスはEコマース事業をおこなう前から、会社さんにとってのこだわりの部分です。自分たちの商品を売りたい、サービスを知ってもらいたい、そこを外部の人間が意見することは間違っていると思っています。

 ただ、Eコマースという市場で成長していくためには、Eコマースの市場での「売れ筋」をよく見、手に取ることが大切です。自分たちの商品やサービスに思いやこだわりがあったとしても、仮に実店舗でその商品が売れていたとしても、インターネットで同じように売れるかというと話は別なのです。

*Eコマースに商圏はない。売れ筋はもしかしたら死筋に・・

 Eコマースに商圏の概念はありません。沖縄に住んでいる方が北海道で運営しているネットショップで商品を購入することができますし、逆のパターンも十分にありえます。Eコマースは全国大会。このEコマース概論でも何度かお伝えしていることです。

 実店舗で売れている商品だからインターネットでも売れるだろう、卸では売れている商品だからインターネットでも売れるだろう。そうとは限りません。Eコマースの落とし穴のひとつです。実店舗で売れている商品と同じような商品力を持った商品が競合他店ですでに売られていた場合、商圏内では1番だった商品が全国大会では10番手以下ということになりえます。

*市場の売れ筋の商品ページを見る、実際に買う。

 定期的におこなって欲しいのがEコマースの市場で売れている商品のチェックです。競合のネットショップとしてマーキングしているお店をチェックしてもいいですし、ショッピングモールのランキングを活用しても良いかと思います。

 商品ページを見てどんなポイントを推しているかを見ます。レビューを見ます。お客様が商品についてどんな感想を残しているかを見ます。実際に商品を買ってみます。手に取ってみれば、自社の商品とのレベルの差がわかるはずです。実は商品力に限ってはあまりレベル差がないかもしれません。逆に、そのレベル差を補えば、市場で十分に戦えるという指標にもなります。

*デザイン性×機能性×ブランド性。

 商品力は「デザイン性」「機能性」「ブランド性」の3つの観点から考えると整理がしやすいかもしれません。そして「デザイン性×機能性×ブランド性」この3つを掛け合わせたものが商品の「販売価格」になるというイメージです。

 Eコマース市場の売れ筋の商品をピックアップして、3つの観点のレベルを整理してみてください。そして、自社で商品企画をおこなうならば、どの部分で勝つことができるのかを検討します。勝負のポイントになるのは「デザイン性」であることが最も多いパターンです。「機能性」「ブランド性」はある程度推し量ることができます。「デザイン性」は出してみないとわかりません。

 ―――では次回の7回目は、<7.競合分析をおこなう>について解説をしていきます。

 つづきはこちら。

 

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ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。