ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

「市場」を分析してネットショップを成長させよう!後編【no.1368】

 前回のコラムでネットショップにおける「商圏の勘違い」について解説をしました。

 ネットショップには商圏がないこと、ネットショップは全国大会・世界大会であること。頭で理解をしていても、日々のここを意識して行動しネットショップ運営をしていかないと、いつまで経っても売上に繫がりません。

 特に実店舗を運営している方がネットショップを始めるとハマりやすいポイントなので注意が必要です。

*「ネットショップ←お客様」なのか「お客様→ネットショップ」なのか。

 ネットショップのマーケティングを考える上で紹介しているのが「ネットショップ←お客様」と「お客様→ネットショップ」です。ネットショップのマーケティングとして正しいのが「お客様→ネットショップ」の考え方、間違いがちなのが「ネットショップ←お客様」の考え方です。

 「ネットショップ←お客様」と「お客様→ネットショップ」。ともにお客様からネットショップに向けて矢印が伸びているという点で一緒です。異なっているのがネットショップとお客様の位置関係です。「ネットショップ←お客様」ではネットショップが左側に、「お客様→ネットショップ」ではお客様が左側にあることがわかると思います。ここだけが異なります。

*実店舗をやられている方がハマりやすい「ネットショップ←お客様」。

 ネットショップを立ち上げると全国からお客様が集まってきてくれ、全国から注文が入ってくる。そんな提案を受けてネットショップを開設した事業者さんもいると思います。これは半分は正解で、半分は間違いです。

 ネットショップには商圏がなく全国のお客様が対象となり、全国のお客様から注文をいただける可能性がある。これは半分の正解です。では半分の間違いは何か。「ネットショップを立ち上げると」という部分が間違いです。ネットショップを開設しただけで、お客様が集まってくるということはありません。

*「実店舗←お客様」なら、この公式は当てはまるが・・。

 昨日も今日も、どこかで新しいネットショップが開設されています。もし自社の隣の会社が今日ネットショップを開設したとしても、自らそれに気づくことはありません。ネットショップはインターネット上に存在するものであり、目で見ることができないからです。

 もし隣の会社が今日実店舗をオープンさせたとしたら、それに気づかないことはないでしょう。数か月前からその存在を見ることができます。実店舗はその存在自体が販促になります。ですから、お客様の側から新設の実店舗に来店をしてくれます。「実店舗←お客様」の図式が成り立つのです。逆に、ネットショップを立ち上げただけでお客様がやってくるという「ネットショップ←お客様」は成り立たないのです。

*ネットショップのマーケティングは「お客様→ネットショップ」。

 ネットショップはその存在自体に価値があるわけではありません。お客様がある「課題解決」を求めてネットショップを探す、ある「用途・目的」をもって商品を探す。だからこそネットショップの存在意義が生まれるのです。

 ネットショップは実店舗と「基点」が異なります。実店舗は「基点」が実店舗側にあるのに対して、ネットショップは「基点」がお客様側にあるのです。お客様に探されない、求められないネットショップは残念ですが存在しないものと一緒です。どんな課題解決を提供するためにネットショップが存在するか。どんな用途・目的のためにネットショップを利用するか。それを考えてネットショップを運営していきましょう。

 おわり。

 

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ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。