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「のんべぇ」と「焼酎マニア」のペルソナを可視化する!?【no.1372】

(前回はこちら)

 翌週末は麻間(あさま)さんとの定例ミーティングの日でした。七海さんと友花里さんはいままでで一番自信をもって麻間さんを迎えました。麻間さんにおにぎり水産に「早く来てほしい、早く話したい!」と思ったのはふたりとも初めてでした。

「けっこうページを工夫されたようですね。サイトも拝見しましたよ。なんだかふたりとも自信にあふれている気がしますが」麻間さんはいいました。

「そうなんです。麻間さんに指摘いただいたように広告文によって別のページを用意したんですが、思った以上に成果が出てびっくりしました。前回の広告文と同じ文章を使ったので広告のクリック率についてはほぼ同じですが、広告の転換率がなんと3倍です。正直驚きました」友花里さんがいいました。

「友花里といろいろ議論したものの、半信半疑だったんですが・・麻間さんのおっしゃる『訴求力』というものがはっきりわかった気がします!」七海さんも続けます。

「七海さんと友花里さんで話し合って改善したことが上手くはまったんでしょうね。最初からこんな結果を出せるということは、ふたりともペルソナに対してのページ作りが向いているということなんだと思いますよ。特に、『のんべぇ』と『焼酎マニア』のイラストは傑作でした。どんな工夫をしたか、教えてもらえますか」麻間さんが七海さんと友花里さんを交互にみます。

 友花里さんがリンク先ページをプロジェクタに映して説明を始めました。

「最初にやったことは、文章から広告文に含まれているキーワードを分割することでした。いま麻間さんからもご指摘いただいた『のんべぇ』と『焼酎マニア』についてはここで明確な違いがあることに気づいたんですね。ふたつの広告文は一見すると同じようなことを言ってるんですが、実は若干対象としているお客様が違う。キーワードを分けることでそれに気づくことができたんです」

 七海さんが友花里さんの変わりにパソコンを触り、プロジェクタに「イモ焼酎に合うのはコレ!のんべぇさんのためのおつまみ」「全国の焼酎マニアさんお待たせしました!新おつまみのご提案」のふたつの広告文を表示させました。友花里さんが説明を続けます。

「『のんべぇ』と『焼酎マニア』。ふたつの広告文のペルソナをここに絞って、『のんべぇ』さんへはどんなページを見せればいいか、『焼酎マニア』さんならどんなページを見せればいいかを考えたんですね。ひとつの工夫としては、私たちがイメージする『のんべぇ』と『焼酎マニア』のイラストをまず作って、ペルソナを可視化すること。そして、広告文をクリックしたときにそれぞれのイラストをまず見せることです」

 麻間さんは感心して頷いてばかりです。友花里さんの説明もさらに乗ってきました。

「『のんべぇ』さんにはわさび漬け笹かまぼことイモ焼酎を合わせて晩酌している姿がイメージできるようにページを作りました。『焼酎マニア』さんは、こだわりがある方だと思うので敢えてどの焼酎に合うかなどは提案せず、わさび漬け笹かまぼこの新しいさとかこだわりとか商品自体についての説明を多くしました。どんな焼酎に合うかはむしろ私たちが教えて欲しいくらいなので、そこを押し付けなかったのがページとして良かったのかなと」

「七海さん友花里さん、素晴らしいですよ。広告の改善の考え方として満点です。同じように検索キーワード、広告文、広告ページの作成を継続して展開していってください。さあ、広告について次に知らなくてはいけないことです」麻間さんが切り替えていいました。七海さんと友花里さんが口をそろえます。

「まだあるんですか!?」

 つづく。

 

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ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。