ネットショップの「差別化」と「付加価値」を考える。一【no.1424】

 「差別化」と「付加価値」。ネットショップを成長させるための大切なキーワードだと思います。これから数回にわたってネットショップにおける「差別化」と「付加価値」、考え方、具体的な事例について紹介をしていきます。

 まず今回は、そもそもなぜ「差別化」と「付加価値」が必要になるか、という話からスタートしていきます。

*市場の原理とインターネットの原理を考える。

 今も昔も絶えず新しいサービスが生まれています。その中には人々の日の目を見ることで成長していく市場もあります。日の目を見ることもなく人知れず消えていってしまう市場もあります。はたまた一度は消えてもまた違うカタチで結果的に日の目を見ることになるサービスもあります。

 最初はひとつふたつの小さな市場からスタートしたサービスも、人々の認知が拡大するとその市場は少しずつ大きくなっていきます。市場というのは「需要と供給」のバランスで成り立っています。

 スタートしたばかりのサービスは「需要<供給」のステージにあります。人々がサービスを知らないわけですから、需要が顕在化していません。人々がサービスを知るようになると需要が生まれます。「需要>供給」のステージに入っていきます。サービスの需要が顕在化すると市場ができます。「需要>供給」の市場に後発で参入する事業者が現れます「需要=供給」を経て「需要<供給」に近づいていきます。

*Eコマースの市場環境はどうなっているのか。

 Eコマースの市場も例外ではありません。同じ流れをたどっています。日本のEコマースが本格的にスタートしたのは1998年頃のことです。楽天市場の立ち上げが本格的に市場の成長するきっかけになっています。楽天市場の認知、ネットショッピングの認知が一気に高まったのは2004年頃のこと。「需要<供給」だったバランスが、「需要>供給」へとシフトしていきます。サービスの受信側(お客様側)の拡大は一気に進むのが通例です。

 2004年頃から2009年頃まで「需要>共有」の状態が続きます。ネットショップを運営している事業者からすれば「オイシイ」時代でした。インターネット広告をかければ数倍の売上が返ってくる、もちろん確実に利益が残った時代です。しかし悲しいかな。そんな時代は長くは続かないのです。「需要>供給」の時代は「需要=供給」の短い期間を経て、「需要<供給」の時代に入っていきます。

 2010年。ネットショップに取り組んでいる事業者には、ひとつのきっかけになっている年なのではないかと思います。

*インターネットビジネスの特徴を考える。

 顕在化した市場は「需要<供給」から「需要>供給」のオイシイ時代を経て「需要<供給」へと再び向かっていく。前者の「需要<供給」と後者の「需要<供給」はその性質がまるで異なるものです。そしてネットショップを続けていく上でおさえておかなければいけないことがあります。「需要<供給」の「供給」部分の拡大はインターネットの世界において「永遠に続く」ということです。

 これがネットショップではなく実店舗というビジネスの場合、「供給」の上限が決まってきます。供給側に入れ替わりはあっても、供給側が永遠に増え続けることはありません。ひとつは「商圏」があるからです。リアルのビジネスには「商圏」があるため、一定数以上の競合がいると商売になりません。もうひとつは参入障壁です。ネットショップは出店コスト・維持コストが低い(ほぼゼロもありえる)ので、ショップをつぶす必要性がありません。

 インターネット上には土地がなく、商圏もありません。出店と維持のコストもかかりません。「需要」は増えなくとも、「供給」は半永久的に増えていくのです。

 つづく。