著者:石田 麻琴

ネットショップの「差別化」と「付加価値」を考える。三【no.1426】

 「差別化」と「付加価値」を考える第三回です。

*商品を自社でつくっているか、仕入れているか。

 ネットショップの「差別性」と「付加価値」を考えるとき、大切なポイントになるのが販売している商品を自社でつくっているのか、それとも仕入れているのかです。前者は必ずしもオリジナル商品に限るわけではなく、自社OEMの商品でもあてはまります。自社のネットショップ以外のネットショップでも同じ商品を販売しているのか否かです。

 インターネットの世界は商圏のない世界です。東京のお店と北海道のお店と沖縄のお店というリアルの世界では競合になりえないショップ同士がインターネットの世界では競合になります。厳しいのは「自社のネットショップ以外でも同じ商品を販売している」小売りのネットショップです。

 他のネットショップと同じ商品を販売しているならば、基本的にはお客様の選択動機は価格かサービスになります。値下げ競争、価格競争に巻き込まれるか、サービス合戦に巻き込まれてしまうのが関の山です。そうなると最終的に勝ち残るのは資本力のある会社ということになります。

 ただ、商材によっては大資本が手を出しづらい、手を出すほどのボリュームがない市場もありますから、そこは小売りのネットショップでもチャンスがあります。

*横並びになったときに、お客様が選んでくれる理由

 商品自体で「差別化」が難しいときに、どうやったらお客様が自社のネットショップを選んでくれるか。たとえば同じ商品を取り扱っているネットショップが5店舗並んだときに、お客様が自社のネットショップを選んでくれるとしたらどんな理由をつくることができるか。商品自体でもいいですし、ネットショップ自体にでもいいです。どんな「付加価値」を提案できるかを考えましょう。

 「付加価値」を考えることのきっかけになるのは、自分たちが「いま持っているもの」を見つめ直すことです。

 たとえば会社が50年以上続いている。インターネット専業の会社も多いEコマースの市場で、お客様に信用してもらうための価値のひとつになります。たとえば実店舗がある。実際にお客様が実店舗にやってくることはなくても、その存在を伝えておくことで事業の実体性をアピールすることができます。たとえば自分たちのスタンスを伝える。たとえ他でも売っている商品をセレクトショップ的に並べたネットショップだったとしても、そのセレクト理由・自社のネットショップのポジションを伝えることでお客様が共感をしてくれるかもしれません。

 「付加価値」というとどうしても「いま自分たちが持っていない新しいモノ」を考えがちではありますが、まずは「いま持っているもの」を見つめ直してWEBサイト上できちんと伝えることから始めてみてください。自分たちが当たり前だと思っていることでも、お客様にとっては当たり前でなかったりします。とにかく「伝える」ことが大切です。

*地域という「差別性」を利用する

 ネットショップは「商圏」のない世界ですが、インターネットはすべてのビジネスにとって「商圏」がないわけではありません。遠くにある会社さんには、ちょっとしたことで商談には行けませんし、催事やイベントなどリアルの活動をおこなっていたとしても距離が遠ければ参加することはできません。インターネットの世界でも「地域」というのはひとつの差別性なのです。

 またインターネットを活用していても、実際の勝負を「リアルに持っていく」方法もあります。特にBtoBのビジネスについては、問い合わせ経路がネットだとしてもリアルの商談を通じてビジネスが進んでいくことが多いわけですから、BtoCのネットショップのほかにBtoBの窓口を用意しておくというのもひとつの方法です。

 つづく。