ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

市場分析と競合分析を強化して、変化の対応に強くなろう。3【no.1450】

 市場分析に続いて競合分析について考えていきたいと思います。

 先にも書いたようにEコマースの市場は全国大会であり、かつ世界大会です。実店舗のように「品ぞろえはいまいちだけど、近いからこのお店を利用している」であったり、「あっちのお店は人気で混んでるから、こっちのお店で利用しよう」というようなことはありません。全部のお客様が「良いお店」の方にいってしまいます。

 ネガティブにいえばお客様がすべて取られてしまうということでもありますし、ポジティブにいえばお客様をすべて取れるということでもあります。インターネットの世界はオールオアナッシングの世界でもあるのです。となると、当然、「自社がどのネットショップと比較されているか」という競合分析が必要になってきます。

*まずは1社、自社の競合ネットショップを設定してみよう

 独自ドメインサイト(自社サイト)でネットショップを運営していても、ショッピングモールでネットショップを運営していても、「ここがうちのネットショップの競合になるな」というネットショップがひとつは思い浮かぶのではないでしょうか。まずはその1店舗を徹底的に追ってみるところから始めてみましょう。

 もしも競合のネットショップが思い浮かばないという場合は、「お客様が自社のネットショップを探す場合、どういったキーワードで検索するか、探すか」を考えて、実際に検索エンジンから検索をしてみてください。ショッピングモールで運営しているネットショップの場合は、ショッピングモールで商材を検索します。キーワードが競合しているネットショップこそ、競合のネットショップということになります。なぜならお客様が「探す過程」で同じようにショップが立っている状態だからですね。

*競合ネットショップは自社より少しレベルの高いショップを

 お客様が「探す過程」の視点で考えた場合、競合がいないというネットショップはおそらくありません。また競合が1社しかないというネットショップもほとんどないと思います。日本に限ってもインターネット上にネットショップが数十万店舗という数のある時代ですから、少なくとも5社、多ければ数十社、競合のネットショップが見つかるはずです。

 最初の競合ネットショップは、自社のネットショップのレベルを踏まえ、少し自社よりもレベルが上かなというところをターゲットにしましょう。ただし売れてなさそうなネットショップはNGです。ショッピングモールでの検索だとわかりやすいですが、スタンダードな検索キーワードで検索した場合の1ページ目、2ページ目に出てくるようなショップから競合を選びたいところです。少なからずは売れているネットショップだと思って間違いはありません。

*競合を設定して売上を上げるイメージ法

 競合のネットショップが5社あるとします。売上の順番としては「A社>B社>C社>D社>E社>自社」からスタートします。競合のネットショップとしてターゲットにするのはD社かE社です。まずはこことの張り合いに勝つこと。

 もうひとつは、A社B社C社D社E社という自社よりもレベルの高い先行のネットショップから「どの売上を取ってこれるか」を考えることです。先行者に立ち向かうために必要なのは専門性です。市場の中のどこに立ち位置を置くかを考え、それまでA社B社C社D社E社が少しずつまかなってきた需要を自社にひっぱってきます。すると「A社>B社>C社>D社>自社>E社」の状態をつくることができます。

 次におこなうのはA社B社C社D社からまた新しい需要を取ってくるマーケティングを考えることと、E社をパワープレイで圧倒してしまうことです。

 つづく。

カテゴリー: 0.ECMJコラムALL, 5.Eコマースの分析

ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。