ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

「まだできるんじゃないか」マーケティング担当は掘り下げる【no.1470】

 「まだできるんじゃないか」マーケティング担当は掘り下げる。

 まだ何かできるんじゃないか、まだ工夫ができるんじゃないか。マーケティング担当はこの「まだできるんじゃないか」の気持ちが大切です。

 仕事も人生も全部「まだできるんじゃないか」が大切だと思うんですけどね。だって、マーケティングも仕事も人生も、同じことを掘り下げていくものですから。

 先日のことです。とあるミーティングの最中にふとしたことから大きなチャンスを発見しました。その顧問先で販売中の商品が、その日にテレビ番組で紹介されることがわかったのです。

 まさにその商品についてたまたまネット検索していたときにたまたま発見したのです。時間は14時、テレビ放送が20時から。なんという偶然か。その日のミーティングは内容を差し替えて、テレビ放送への対策になりました。

 まず考えたのが紹介された商品をお客様が「どんなキーワードで検索するか」です。けっして録画をしている視聴者ばかりではありません。集中している視聴者ばかりではありません。商品名やブランド名などはそう簡単に頭の中には入ってこないものです。テレビ番組で「商品がどうやって紹介されるか」「放送の中でどんなキーワードがお客様の耳と記憶に残るか」これを予想してページを作っていくのです。

 ブランド名、当然です。商品名、当然です。テレビ番組名、当然です。お客様が商品の型を何と表現するかです。1号と表現することもあれば1番と表現する可能性があることもわかりました。ふたつともキーワードに含みます。製造元の会社は埼玉県。もしかしらた「埼玉県」しか印象に残らない視聴者もいるかもしれません。「まだできるんじゃないか。まだあるんじゃないか」をひたすら考えるのです。

 この商品については特別な販売代理店の契約を交わしています。ですので、他のオンラインショップに比べて販売価格が安いこともわかっていました。テレビで紹介され、視聴者がネットで検索したときに有利に働くのは間違いない。しかし、こんなところにも落とし穴があるのではと考えました。実際に過去にこんな問い合わせがきたのです。「他のショップに比べて価格が安すぎるのですが、アウトレット商品でしょうか?」。

 お客様のメリットとして提供しているサービスがそのまま理解されないこともあります。価格が安すぎる。典型的な販売側とお客様側の意識のズレです。「他に何か気になるところはないか。お客様が買わないとしたらどこを気にしてしまうか」。「まだできるんじゃないか」探しの旅は一時間以上続きました。大変なのはその改善を20時までに対応しなくてはいけない担当者さんなのですが・・

 結果、テレビで紹介された翌朝までに商品はほぼ完売。極端なサイズは売れ残りましたが、主要な型番は完全に売り切ることができました。もっと浅い「まだできるんじゃないか」でも同じ結果だったかもしれません。「まだできるんじゃないか」をどこまで掘り下げれいいのか、それは誰もわかりません。僕らにできるのはただひとつ、「まだできるんじゃないか」のベストを尽くすだけです。

 マーケティング担当の仕事は、顧客目線で知恵をどこまで振り絞ることができるかです。

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石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。