ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

「販路拡大」型の会社がEコマースで成功するための本当のポイント。三【no.1476】

 Eコマースに取り組むための本当のポイントについて書いていきます。母体となるビジネスをやられていて、インターネットで販路拡大を考えている会社さんによく読んでもらいたい内容です。

*ネットショップ担当者の評価だけではなく・・

 Eコマースを始めたけれどうまく成長軌道にのっていかない。「販路拡大」型の会社の会社が気をつけた方が良いことをまとめていきます。ここで紹介するのは「評価」です。ネットショップの運営担当者はもちろんのこと、直接的にネットショップの運営に関わらないスタッフにもネットショップの売上がその評価のひとつとして結びつくような仕組みが欲しいところです。

 まず前提として、ネットショップの担当者に「評価」の基準を伝えることはできているでしょうか。「販路拡大」型の会社の場合、ネットショップの担当者が「専任」のこともあれば「兼任」のこともあります。多くの会社では母体となる既存ビジネスの仕事を一部担当しつつ、ネットショップの担当者を「兼任」しているのではないでしょうか。

 「専任」であればネットショップの運営業務という評価が明確です。「兼任」の場合、「ちょっとネットショップもいじっておいてね~」くらいの緩い感じになっていないでしょうか。評価と責任範囲が明確でないと人は動きません。「なんとなくあの人が担当」はやめましょう。

*間接的にネットショップ運営に関わるスタッフにも評価を

 「専任」か「兼任」かはともかくとして、直接ネットショップの運営をおこなっているスタッフがいます。前述したとおりこの人間に評価を与えるのは当然のことですが、間接的にネットショップの運営に関わるスタッフ全体にも新しい評価を加えて欲しいのです。

 経営者や役員、事業責任者が「これから我が社はネットショップを頑張るぞ!」と大号令をかけたとします。組織が特段破綻している会社でなければ「そうだ。我が社もネットショップを頑張るんだ!オー!」とスタッフの皆さんも賛同してくれるはずです。しかし心の中では「どんな新しい仕事が降ってくるのかなぁ、面倒くさいなぁ、不安だなぁ」と思っているはずです。

 ネットショップは直接的に運営をしているスタッフ以外にも、確実に他のスタッフに新しい負荷がかかります。ネット専用の商品企画もそうですし、在庫管理や入金処理、物流作業、倉庫スペース、お客様の電話問い合わせ対応など、既存ビジネスのインフラと人材を活用することになります。負荷は必ずかかるのです。

*ネットショップの売上の割り振り方

 評価の方法の具体的な考え方です。ひとつは、ネットショップの売上をそのままネットショップチーム、ネットショップ運営担当者の評価にするという考え方です。この場合、評価の対象は直接的な担当者だけになり、間接的に負荷がかかるスタッフには泣いてもらうことになります。

 もうひとつ。ネットショップの売上を、運営担当チームと間接部隊のチームで均等割りをするという考え方です。たとえば「8対2」。フォローアップする部分が多ければ「7対3」に売上を分け、その数字を運営担当チームと間接部隊チームの評価とします。

 最後のひとつです。ネットショップの売上を全体に配分するという考え方です。ネットショップの存在自体を「ひとつの販売チャネル」と考えるのではなく、自社の「マーケティング活動」の一環と捉えます。ネットショップに特定の運営担当者をつけるのではなく、様々な部署から人を集めて「プロジェクトチーム」式に運用改善をおこなう会社には向いているかもしれません。

 ネットショップ運営から得られるのは売上だけではありません。お客様の購買行動のデータやレビュー・問い合わせなど「生の声」「生の反応」を得ることができます。そう考えると、たしかに「マーケティング活動」の一環になるのかもしれません。

 つづく。

カテゴリー: 0.ECMJコラムALL, 6.Eコマースの悩み

ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。