ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

話題になっているものは、話題になっているうちに体験する【no.1479】

 遅まきながら「君の名は。」をみました。

 テレビ放送の解禁になったためか、特別枠での放送なのか、加入しているWOWOWで放送があるのをたまたま番組表でみつけて録画してみました。昨年2016年にの超話題作を。

 ちまたの評価はそれぞれだと思いますが、個人的には良かった。何度か涙が出てしまいそうになった場面もありました。普段あまり映画をみないからかもしれませんが、感動してしまい。ちなみに一緒に見ていたうちの奥さんも感動したらしく、石田家では今さら「君の名は。」ブームがきております。RADWIMPSのアルバムも借りちゃったしね。「前前前世」ね。

 まあ、そんな私なのですが、思ったのは「話題になっているものは、話題になっているうちに体験しておいた方がいい」ということです。

 前述のとおり普段あまり映画をみる方ではないですし、アニメにもあまり興味がある方でもないです。話題になっていると映画館に並んで、混んでる中見なきゃいけないのも嫌です。そんなこんなで「君の名は。」は見たいなー見たいなーと思いつつ、「家で見られるようになってからでいいか」状態だったわけなのですが、「話題性」のあるときに体験しておかないと「わからないこと」があるんですよね。

 別に2016年8月に公開された当時の「君の名は。」と、先日WOWOWで放送された「君の名は。」は内容に差があるわけではありません。ストーリーは一緒だし、声優さんも一緒だし、時間も一緒だし、「君の名は。」という映画のそれ自体は何にも変わりません。「君の名は。」自体を楽しみたいなら1年遅れのテレビ放送でも充分です。

 ただ、マーケターとしてはそれではいけない。

 話題になっているときに体験しておかないとわからないのは、「君の名は。」から派生しているトレンドです。「君の名は。」をみた人が話題にしていることだったり、映画の評価の云々だったり、映画に関するビジネスだったり、「君の名は。」が生み出した商流というものが映画の興行収入以外にもたくさんあるはずなんですね。リアルタイムに体験をしていないとこれがわからない。

 「君の名は。」の波及効果として聖地巡礼があったのは知っています。映画の舞台になっている飛騨市にファンが集まったり、四ツ谷や新宿にファンが集まったり。代表的な例なので「君の名は。」を体験していなかった私でも知っているのですが、もっと波及効果はあったはずだし、もしかしたら自分のビジネスに関わる波及効果があったかもしれない、自社で波及効果をつくれた可能性もあります。

 「君の名は。」にたびたび出てくる定点的に撮影した風景を早回しにした動画は「タイムラプス」という効果です。スマホにも入っていたりするので知っている人も多いと思います。おそらく日本でここまでヒットした映画の中で「タイムラプス」の技法が目立って使われたのは初です。これを活かすことで「タイムラプス」の映像効果を広く周知するきっかけになったのではないでしょうか。もしこの千載一遇のチャンスを活かせていなかったら、少し勿体ないですね。

 ビジネスは日々継続して改善を積み重ねていくことも重要ですが、トレンドの波を掴んでスポットライトが当たった瞬間にその価値をアピールすることも重要です。強いトレンドの中には自社のビジネスにスポットライトが当たるチャンスが潜んでいるかもしれません。そして、それはチャンスが過ぎ去った後では残念ながらわからないものなのです。「幸運の女神には前髪しかない」ですね。

 話題になっているものはとりあえず話題になっているうちに見てみる、使ってみる、触れてみる。体験すれば波及効果が見えてきます。マーケターならば、外せないことです。(すいません。自分です)

 おわり。

カテゴリー: 0.ECMJコラムALL, 7.Eコマースのひと工夫

ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。