「実行数値管理表」のルーティーンは「本質的な課題」を突き付ける【no.1485】

 とある方のブログに私のことが書いてあった。それをたまたまエゴサーチをしていたら見つけた。(エゴサーチするなよwって感じですが)

 その方は1年前に私の講演を聞いてくれたらしい。そのときのこともブログで書いてくれており、それはエゴサーチではなくて、たまたまSNS経由で知ることができた。1年前の講演の感想はこんな感じだった。

「最初の20分くらい退屈だったので『このセミナーは外したか?』と思ったけれども、だんだんと面白くなってきた。特に、石田さんがみんなに提案した『実行数値管理表』のルーティーンは1年続けると絶対に売上が上がる、必ず何かの変化がでるらしいのでぜひ実行してみたい」

 と。そしてこの方は本当に「実行数値管理表」のルーティーンを1年間継続しようとしてくれたわけだ。

 「実行数値管理表」のルーティーンは単に毎日、毎朝ネットショップの数字を取るだけではない。ネットショップの数字について毎回10分程のレビューをしなくてはいけない。なぜ昨日の数字はこの数字になったのか。それをメンバーで話し合うのだ。そこから次への仮説を導き出していく。

 1年後の成果を目指して「実行数値管理表」のルーティーンを進めてくれたようだ。最初のうちはその効果に驚いたらしい。毎日数字を取ってその理由を検証し、そこから次の施策を考えることで今までになかったアイデアがポンポン出てくるようになった。そして一緒に仕事をしているパートナーも意見を出すようになったと―――。

 さて1年後である。昨年に私の講演を聞いてもらって「実行数値管理表」のルーティーンを伝えてから1年が経った。はたして1年間「実行数値管理表」を続けることでネットショップの売上は上がったのか、それとも上がらなかったのか。1年後のブログには明確な「変化」が綴られている。

 この会社さんでは「実行数値管理表」のルーティーンは結局3ヵ月間しか続けることができなかった。1年間継続する強い意気込みをもっていたようだから、非常に無念だ。ではなぜ3ヵ月間しか続けることができなかったのか。

 「実行数値管理表」のルーティーンをはじめて最初の方は新しいアイデアややり切れていなかったアイデアがたくさん生まれてきた。しかし、課題が明確になっても行動に繋がらなければ課題は置き去りになる、課題として残り続ける。「実行数値管理表」を続けるほど、自社の本質的な課題を直視せざるを得なくなったのだ。その結果、自社にはEコマース事業以外の道を強化することが適切だということに気づいた、と。

 そうなのだ。

 「実行数値管理表」のルーティーンを続けているとたくさんのアイデアが生まれてくる。日々変化する数字への興味が湧いてくるし、競合他店がどんな施策をおこなっているのかが気になってくる、仮説を立て実践をすればどんな結果が出るか、そこにフォーカスできるようになれば改善のサイクルは回り始める。そして、1年間もたたないうちに売上というカタチの成果がでる。

 しかし、数字への興味や競合の分析、たくさんの仮説やアイデアが生まれてきたとしても、実践につながらなければどうなるか。毎日、毎朝「実行数値管理表」のルーティーンをおこなうたびに同じような課題が出るだけである。そしてそれは組織における「本質的な課題」にいきつく。「本質的な課題」を避け毎日ルーティーンを続けることはできないのである。

 このブログの最後はこう綴られている。「『実行数値管理表』のルーティーンは3ヵ月間しか続けることはできなかった。でも『続ければ必ず何かの変化が起きる』と石田さんが言っていたのは本当だった。だから石田さんというコンサルタントは信用できる」と。ありがたい限りである。

 もしかしたら1年後2年後に気がつくはずの「本質的な課題」を「実行数値管理表」のルーティーンが「3ヵ月間」に縮められたのかもしれない。あの講演会も少しは貢献できたようだ。

 おわり。