ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

ネットショップの数字を分解して「パーセンテージの異常値」を探そう!【no.1494】

 数字は絶対数で見ることも大切だし、パーセントで見ることも大切だという話。

絶対数が少ない時期はよりパーセンテージでの見方を強める

 特にネットショップを始めた当初は、ネットショップにアクセスしてくれるお客さんの数が少ない。リアルでのブランドや認知度がなければ、どんなネットショップでも1日のアクセス数が5だったり10だったりというところからスタートしていく。絶対数が少ないときは、よりパーセンテージでの見方を強めて数字を感じていきたい。

 1日のネットショップの平均的なアクセスが50だったとする。それがある日70になったとする。1日のアクセス数が数千、数万というネットショップに比べると「50アクセスも70アクセスも変わらないよね・・」という話になってしまうのだが、パーセンテージで考えると70アクセスは平均のアクセスに比べて40パーセントもアップしているのだ。

 まず大切なのは日々のネットショップのアクセス数を肌感で感じておくこと。この場合は通常のアクセス数が50アクセスであると肌感で認識しておきたい。そこに70アクセスの日が入ってきたときに「これは異常値だ!」と気づくことができるかどうか。数字としては50と70というわずかな違いでも、パーセンテージにすると40パーセント増。10,000アクセスが14,000アクセスになったことと何ら変わらない。

疑問を持たなければ鉱脈が見つかることもない

 絶対数と同時にパーセンテージをイメージして「これは異常値だ!」と気づくこと。そしてその後に「何かがあったのではないか?」と疑問を持つことが肝心。数字という結果には必ず何かしらの原因があるので、疑問を持ちその原因を探していく、この行動が大事。原因がわからなかったり、「たまたま・・かもね」という結論に至ったりも多いが、そもそもの疑問を持たなければ鉱脈が見つかることもない。まずは探す、のが大切です。

 ネットショップの規模が大きくなってくると、絶対数での異常値に気づきづらくなってくるのに加え、パーセンテージでの異常値の気づきが少なくなってくる。ネットショップの1日の平均的なアクセスが10,000アクセスだったとして、10,500アクセスになったとしても500アクセスの差。パーセンテージに直すと5パーセント。50アクセスが70アクセスになった状態と比べると、絶対数は多くなっているのに対してパーセンテージは少なくなる。

 規模が大きくなってくるとネットショップの売上やアクセス数には複合的な原因が絡むことが多くなる。たとえば、売上規模が小さいうちはインターネット広告が1本しか走っていなかったのが、売上規模が大きくなると複数のインターネット広告が同時に走ることになる。こうなると、全体的な数字を見るだけではなく、数字を分解して「どの数字が伸びていて、どの数字が伸びていないのか」を検証しなくてはいけなくなる。

 アクセス数ならば、「新規顧客と既存顧客(リピーター)の割合」「売上高トップ10の商品へのアクセス数」「商品別のアクセス数」「商品カテゴリ別のアクセス数」「広告流入と自然流入」「参照元の比較」など、ネットショップのビジネスモデルに合った分析方法を継続することによって、数字の伸びをみていかなければいけない。

規模が大きくなったら数字を分解してパーセンテージをみる

 ここで再び見失ってはいけないのがパーセンテージで異常値を探すこと、ということになる。1日のネットショップのアクセス数が10,000アクセスになっていたら、たった特定の商品カテゴリが100アクセスになっていても気にならないかもしれない。

 けれども、もしもその商品カテゴリが前週の数字では10アクセスだったらどうだろうか。10アクセスから100アクセスに成長するのは立派な「異常値」ということになる。もしかしたらトレンドがその商品カテゴリに向いていたり、自分たちが知らないところで特集をされているのかもしれない。「鉱脈」かもしれない。もっと力を入れれば100アクセスが1,000アクセスになるかもしれない。

 数字は絶対数で見ることも大切だし、パーセントで見ることも大切。ネットショップの規模が大きくなったら数字を分解して「パーセンテージの異常値」を探そう!

 おわり。

カテゴリー: 0.ECMJコラムALL, 5.Eコマースの分析

ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。