ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

ネットショップの「多店舗展開」の課題と解決策【no.1527】

 ネットショップの多店舗展開について考えていきたいと思います。すでに多店舗展開に取り組んで久しいネットショップもあるだろうし、これから多店舗展開に取り組んでいく会社もあるでしょう。

*そもそもネットショップの「多店舗展開」とは?

 ネットショップを営業する販売チャネルを増やすことを「多店舗展開」といいます。たとえば、「ECMJショップ」というネットショップを自社サイトで立ち上げていたとして、その「ECMJショップ」というショップブランドを楽天市場に展開すると複数のネットショップを持つ、「多店舗展開」ということになります。

 リアルの世界で誰しもが知っているようなブランド、たとえば「ユニクロ」とか「ヤマダ電機」とか「ABCマート」とかはショッピングモールにネットショップを出店する意味があまりありません。こういったブランドについては自社サイトオンリーでのネットショップ運営が向いているのですが、中小企業のネットショップ運営では「多店舗展開」は避けることができないといえます。

*「多店舗展開」を避けることができない理由

 ネットショップの「多店舗展開」が避けられない理由は、ネットショップの集客導線を増やすことにああります。特にショッピングモールには各々に特徴があるので注意が必要です。Amazonはその買いやすさとプライム機能。楽天市場は楽天ポイントの特典とイベントの面白さ。Yahoo!ショッピングはTポイントと連携をしていること。それぞれのショッピングモールについているお客様もそれぞれです。

 ネットショッピングの利用方法もお客様によってそれぞれですが、特定のショッピングモールに利用を集約させたいお客様もいるし、ポイントやキャンペーンのスケジュールをみながら自社サイト含め「一番お得なところ」でネットショッピングをしたいお客様もいます。「多店舗展開」をしていないと、出店していないショッピングモールでの販売はノーチャンスになってしまうんですね。

*「多店舗展開」をするときに起こる問題

 自社サイト、楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピング・・マーケティングの観点からいうと売上が最大化するのは「多店舗展開」をすることなのですが、複数のネットショップを管理するためにはまた新しいコストが伴います。

 ひとつは在庫管理。複数のネットショップでどう在庫を持つか。システムを活用することで、リスクなく在庫管理をすることができます。商品登録。こちらもシステムを使うことで、同時に登録が可能。受注管理と物流管理、問い合わせ管理は単純にラインが複数に増えることになりますが、ここもシステムを導入(もしくは自社でシステムをつくる。エクセルでもできる)することで最適化が可能です。

 個々の課題についてここでは細かく触れませんが、いずれも仕組み化が可能です。多少のシステムコストを惜しまないようにした方がいいです。

*「多店舗展開」の結果、利益の状況をみる

 自社サイトとショッピングモールでコストのかかり方が異なります。またショッピングモール同士でもコストのかかり方が異なります。「多店舗展開」の運用が回りはじめてきたら売上だけではなく、利益も管理できるような仕組みを整えていきたいところです。ショッピングモールによってかかるお金と料率が異なりますから、売上が低くても違いがでるはずです。

 そして目指したいのは「多店舗展開」をしつつも、「一番利益がとれるところ」に注文を集約させていくことです。「多店舗展開」をすることによって「お客様に知ってもらう機会をつくる」。「利益分析」をすることによって「知ってもらったお客様に他店を選んでもらう仕組みをつくる」ことです。もちろん、最終目標としては「自社サイト」への集約ということになります。

カテゴリー: 0.ECMJコラムALL, 3.Eコマースの収益アップ

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石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。