著者:石田 麻琴

ネットショップバックオフィス業務の改善とシステム活用について。その3【no.1548】

 前回のコラムではEコマース事業におけるバックオフィス業務のうち「受注管理/データベース管理」の仕事について解説をしました。

*受注処理のデータはフロントヤード業務にどう活かすことができるか

 今回の「ネットショップバックオフィス業務の改善とシステム活用について」シリーズでお伝えしたいのはバックオフィス業務を仕組み化・システム化・マニュアル化・効率化しようということだけではありません。バックオフィス業務を整理することによってフロントヤード業務にも良い影響が出るということです。単にフロントヤード業務に使える時間が増えるだけではなく、バックオフィス業務のデータベースを使って「攻め」のデータをつくることもできます。

 データ分析の中心になるのが、「顧客軸」のマーケティング分析です。Eコマースのカートシステムでは商品ページのアクセスや商品の販売データ、購入顧客のデータなどを分析することができますが、各々を組み合わせた「顧客軸」のマーケティング分析をおこなうことができません。適切な受注処理をおこない、データベースに情報を残すことで様々な角度からデータを分析することができます。

*お客様の初回購入からの購買行動を追っていく

 たとえば、美容系の商材や健康食品系の商材を取り扱っているネットショップにおいて大切になるのがいわゆるCRMです。顧客情報を管理することによって、お客様の状況を把握(予測)し適切な提案をすることができます。CRMは顧客データと受注データ、さらに顧客の行動履歴データから成り立ちますから、バックオフィス業務がそのまま「顧客軸」のマーケティング戦略に結びついているといえます。

 データベースが整理されていれば、お客様の初回購入からの購買行動を追っていくことも可能です。たとえば商品Aを購入したお客様がふたたびネットショップで何かしらの商品を購入してくれるパーセンテージはいくつなのか。リピートをしてもらう際、どんな商品を購入するのか商品Aなのかはたまた商品Bなのか。リピートするまでの平均の期間はどれくらいなのか。などです。

 ネットショップ側からメルマガやDMなどの個別の能動的なアクションを起こすことはできます。ただ闇雲にたくさん提案をすればいいというわけではありません。お客様からの信用を失ってしまいます。ひとつひとつの提案の確度を上げていくためにも「顧客軸」のマーケティング分析が必要になるのです。

*過去の顧客データから似た購買行動の顧客を探す

 たくさんの顧客データと受注データがデータベースに蓄積されると新しいお客様が商品を購入した際に、過去の顧客データから似た購買行動の顧客を探すことができるようになります。これが「あなたにおすすめの商品はこちら」や「この商品を買った人はこんな商品も買っています」というようなリコメンドの源泉になっています。

 Amazonのような大規模なWEBサイトの場合、顧客データと受注データだけではなくWEBサイト上の行動履歴データも取得しています。どの商品ページを何分みたか、どの商品ページとどの商品ページを見比べたか、それをどのくらいの頻度でおこなったか、などのデータが蓄積されています。Amazonからのメールマガジンは行動履歴データをもとにつくられていると思って間違いありません。

 このように考えても、インターネットのマーケティングとはデータマーケティングであり、その根幹になっているのはデータベース管理の仕事だということになります。「受注処理/データベース管理」のバックオフィス業務を整理することで後々活用できる大きな資産を得ていることと一緒です。「売上アップ」のためにもバックオフィス業務に取り組みましょう。