ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

ネットショップの担当者を採用するためのふたつの方法【no.1555】

 2ヵ月ほど前のECMJコラムで「ネットショップの担当者を採用市場から採るのは難しい」という内容を書いたのですが、裏の手というか「採れるケース」もないことはありません。今回は「ネットショップ担当者をどうやって採るか」について考えてみます。

*そもそも採用市場から採るのが難しい理由

 まずはおさらいまでに採用市場からネットショップ担当者が採れない理由です。「募集を出したら適任者がやってくるのでは?」という期待を持っている経営者の方はぜひ参考にされてください。今回のコラムの主旨ではないので箇条書き気味でいきます。

 ひとつ、そもそもネットショップの担当者ができる人財自体が採用市場には少ないからです。ネットショップの店長レベルとなると経営者や事業責任者の人間になります。一般社員でネットショップ全体をみれる人はあまりいません。

 となると、方向的にはWEBの制作会社かWEBの広告代理店かWEB系システム会社を経験した人財です。この層ならば採用市場にいます。この層は特定の高いスキルとノウハウを持っていますが、ネットショップ担当者のようなゼネラリストではありません。またBtoBを経験している人財なので、BtoCの「商売勘」のようなものは入社後に培わなければいけません。

 そして最大の問題。採用市場にネットショップの担当経験者しかも店長経験者がいたとして、「事業会社のネットショップ担当として入社してくれるのか?」というと話は別です。あくまで経験値ですが、リクルートやDeNAや楽天市場などに転職される方が多い気がします。

*ネットショップの担当者が採れてしまうケース

 上記に加え、Eコマースの市場もそれなりに成熟化し、インターネットのノウハウで売る時代から商品を伝えることで売る時代に変化をしています。インターネットを知っている人財に商品知識を伝えるよりも、商品知識を持っている人財にインターネットを知ってもらう方が成功の確率が高いといえます。そうなると自社の人財を育成した方がいい、という結論になるのですね。

 一般論としてはこうなのですが、少なからずネットショップの担当者が採れてしまうケースというものがあります。

 ひとつは、ご家庭の事情でネットショップの担当者もしくは店長としてキャリアアップを諦めざるを得ない状態になっている方のパターンです。お子さんの事情だったり、介護の事情だったりで仕事の場所と時間に制限がある方もいらっしゃいます。ネットショップの仕事はオンライン上で完結することもできるので、テレビ会議のシステムを活用してコミュニケーションを深めていくのも手です。

 もうひとつは個人でネットショップを運営している方のパターンです。個人でネットショップを運営する場合、どうしても弱いのが商材です。商材が「小売り」になることがほとんどなので低い利益率でビジネスを進めなければいけません。だからこそネットショップの店長として制作スキルや数値分析、検索対策などのインターネットの高い知識を持っている可能性もあります。「個人でネットショップやってきたれど疲れちゃった」というような方は狙い目です。

*空のルートからはまず採用できない、地上のルートで人財を探す

 先に書いたとおり通常の採用ルートからネットショップの担当者を見つけるのは簡単ではありません。ご家庭の事情で仕事に制限がある方や個人でネットショップをやっている方に出会えるのも運と縁とタイミング次第だと言わざるをえません。

 採用サイトや採用チラシなどの「空」のルートでは可能性が限られています。ネットショップの担当者の方が集まるような勉強会やセミナーに積極的に参加をして「リアル」という地上のルートで人財を探していくことが大切なのではないでしょうか。運と縁とタイミングが合えば「いやー、実は・・」という方がいるかもしれません。少なくとも「出会える」可能性は高くなりそうです。

カテゴリー: 0.ECMJコラムALL, 4.Eコマースの人財育成

ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。