著者:石田 麻琴

ネットのデータとリアルのデータの繋げ方が成長を左右する。その2【no.1677】

 ビジネスにおけるインターネットの活用「3+1」。このうち「インターネットで集客をして、リアルの商談を経て受注にいたる」パターン(2番目のパターン)、「インターネットで集客をして、リアルの場に足を運んでもらう」パターン(3番目のパターン)のふたつは「ネットのデータとリアルのデータの繋げ方」のイメージをつくることが大切だと前回のコラムで書きました。

*ネットのビジネスとリアルのビジネスの「データ勘」の違い

 「ネットのデータとリアルのデータの繋げ方」の話をする前に、市場環境の前提として説明したいのが「ネットのビジネスとリアルのビジネスの『データ勘』の違い」です。結論を先にいうと、「データ勘」について「ネットのビジネスの方が、リアルのビジネスに比べて鋭い」状態にあると思います。

 なぜならば、インターネットのビジネスとは「データのビジネス」であるからです。EコマースもソーシャルゲームもSNSもすべてデータを元にしてビジネスが回っています。デジタルマーケティングの原理原則である「データをとって、毎日カイゼン」を元にしてビジネスが運用されているのです。ネットのビジネスを展開していながらデータを活用していない会社は基本的に生き残れません。

 この「基本的」に例外があるとすれば、リアルビジネスでの「ブランド性」です。リアルビジネスにブランドがあれば、たとえデータを上手く活用できていなくても、お客様が信用してサービスを利用してくれます。ブランドはすべてを超えるわけです。

*リアルビジネスはデータを必要としてこなかった

 インターネットという概念が浸透し、ビジネスとして一般化してきたのはこの20年程です。ITシステムはあったものの、マーケティングとしてデータを活用するという概念はなく、業務の効率化や会計管理や在庫管理(つまりバックヤード業務)のためにITは活用されてきました。マーケティングにおけるデータ活用というのも、以前から概念はあったとはいえ、一般化してきたのはこの数年でしょう。もしかしたら「ビッグデータ」のブームが最初なのかもしれません。

 リアルのビジネスは大変長らくマーケティングとしてのデータを必要としてきませんでした。厳密にいえば、インターネットのビジネスのような成果検証としてのデータ活用や、細かいセグメンテーションを使ったデータサイエンスの概念はありませんでした。というか、そこまで精度の高いデータを大量に取得し、集計することがリアルのビジネスではできなかったわけです。

 まだまだネットのビジネスがリアルのビジネスに展開するケースよりも、リアルのビジネスがネットのビジネスに展開していくケースの方が多い状況です。この場合、リアルのビジネスでおこなっていた以上のデータマーケティングの力をつけなければ、インターネットの活用ができないということになります。

*リアルビジネスでの自社のデータを意識する

 ネットのビジネスをおこなう事業者には「データ活用」が前提条件として備わっています。リアルのビジネスからネットのビジネスに展開し、成功・成果に繋げるためには会社組織でのデータに対する意識改革をしなければいけません。まず第一にやらなくてはいけないことは、ネットのビジネスのデータを意識することではなく、元々の母体となるビジネスであるリアルのビジネスのデータを意識することでしょう。

 リアルのビジネスのデータを意識する。もしかしたら意識するためには、リアルのビジネスでのデータをつくるところから始めなければいけないかもしれません。帳簿やFAXなど紙をベースにしたデータのやり取りであったり、営業さんの頭の中にあったりする情報は会社組織に共有するためのデータにはなっていません。「ネットのデータとリアルのデータを繋げる」ため、多くの会社はここからスタートしなければいけないわけです。