著者:石田 麻琴

ネットのデータとリアルのデータの繋げ方が成長を左右する。その5【no.1680】

 デジタルマーケティングを展開していくとき、まず大切になるのは自社の「デジタルマーケティングの全体像」を把握することです。マーケティングツールやマーケティングシステムの知識や選択ではありません。

*どこからお客様は入ってきて、どこに帰結するのか

 お客様がどこから入ってきて、最終的にどこに帰結するのか。もちろんこの「帰結」というところが、「売上」や「受注」などになるわけですが、この「お客様の流れ」をステップに分けていきます。前回のコラムでは「インターネットの活用方法2番目のパターン」のデジタルマーケティングの全体像を4つのステップに分けました。

 「WEBサイト集客」「WEBサイト問い合わせ」「商談」「受注」この4つのステップです。インターネットから新規のお客様にサービスの存在を知ってもらい、WEBサイトでサービスに興味をもらって問い合わせに繋げる。問い合わせをいただいたお客様とアポイントを取って、数度の商談を繰り返して注文をいただく。この流れです。

 2番目のパターンのマーケティングの場合、ポイントになるが「WEBサイト問い合わせ」と「商談」の境目です。「WEBサイト集客」と「WEBサイト問い合わせ」がネットでのマーケティング、「商談」と「受注」がリアルでのマーケティングになります。デジタルマーケティングの全体像として、「リアルとネット」を「一本の軸」にすることが肝心です。

*ステップの数字を把握、可視化する

 「WEBサイト集客」「WEBサイト問い合わせ」「商談」「受注」この4つのステップの数字を可視化するところからデジタルマーケティングは始まります。

 どれくらいのお客様がWEBサイトを閲覧してくれているのか。どれくらいのお客様がサービスのページを閲覧し、問い合わせをしてくれているのか。どれくらいのお客様が商談に繋がっているのか、どれくらいの回数・どんな商談をおこなうのか。見積もりと注文に繋がった数はどれくらいか、どんなサービスの利用してくれたのか。この全体像を把握するのです。

 ステップの数字の可視化はエクセルで結構です。システムを使う必要はそれほどありません。2番目のパターンの事業は数字が「毎日変化」することが少ないですから、過去12か月間の「月次」の数字の推移を可視化すると良いと思います。

*ステップを可視化して考えるふたつの方向性

 デジタルマーケティングの目的はあくまで「売上」を伸ばすこと、「受注」を増やすことです。ここからの戦略として、デジタルマーケティングのステップを可視化したとき考える方向性はふたつあります。

 ひとつは全体の数字を増やすことで「売上」と「受注」を増やせないかと考えることです。マーケティングの入り口である「WEBサイト集客」の数字が倍になれば、以降の流れである「WEBサイト問い合わせ」「商談」「受注」数字も倍になる「可能性」があります。もちろんここはあくまで「可能性」の話です。お客様の流れの経路のどこかを増やすことで結果を増やせないか、と考えるのがひとつ。

 もうひとつは数字を増やすのではなく「引き上げ率」に手を加えることによって「売上」と「受注」を増やせないかという考え方です。仮に「WEBサイト集客」や「WEBサイト問い合わせ」もしくは「商談の回数」が減ったとしても、「売上」や「受注」が増えれば問題がないわけです。「売上」や「受注」に繋がっているサービスや顧客層を分析することによって、その確率を上げていくという考え方です。

 デジタルマーケティングのスタートの時点では「量を増やす」も「質を上げる」もいずれも具体施策が多く、どちらかを決められる状態にないケースが多いですが、いずれかの方法があることを理解しておくと良いかと思います。