著者:石田 麻琴

課題をクリアしてデジタルマーケティングを推進しよう!後編【no.1708】

(2019年2月のECMJコラムリライトです)

 会社としてデジタルマーケティングを推進するためにはどうすればいいか。前回の【前編】では「デジタルマーケティング=IT化ではない」ということ、デジタルマーケティングのシステムやツールを「導入する」だけではなく、システムやツールを使ったスタッフ「日常業務(通常業務)」のサイクルができていること、この部分がポイントになるという話をしました。

*デジタルマーケティングとはあくまで「マーケティング」である

 ここまでを知ってもらったところで、もう一度考えたいのはデジタルマーケティングという言葉です。これがWEBマーケティング、インターネットマーケティングという言葉だったとしても同様のポイントがあります。いずれも「マーケティング」という言葉が入っているのです。「マーケティング」というのは事業を成長させるために企業が行う活動の総称です。

 「マーケティング」というのは「事業が成長する」ために行なわれます。デジタルマーケティングのシステムやツールを導入したとして、自社の通常業務のサイクルに入っていたとしても、それがたとえば「システムにデータを入力する」とか「ツールに顧客リストを作成する」とか「新しいサービスをWEBサイトに載せる」とか、だけでは「デジタル」のシステムやツールを使っていることにはなりますが、「マーケティング」としては不十分です。

 大切なのはデジタルマーケティングのシステムやツールを通常業務で回す、そのサイクルの中に「データ分析と改善」の歯車が入っているかというところなのです。ここがあって、初めてデジタルマーケティングを推進していることになります。

*そこに「マーケティング戦略」はあるのか

 デジタルマーケティングのシステムやツールを導入するという壁、導入したシステムやツールを通常業務のサイクルに入れるという壁、そしてデジタルを「マーケティング」として使うという壁。デジタルマーケティングを推進するためにはいくつかのハードルがあるのです。ただ、三つ目に紹介をした「デジタルをマーケティングとして使う」というのは、実は「デジタルだから」という話ではありません。

 デジタルマーケティングを推進するにあたって、そもそも自社にマーケティング戦略がなかったということに気づくことが多いのです。デジタルマーケティングの戦略とは、デジタルマーケティングのシステムやツールを導入したからこそ考えることではなく、これまでの自社のマーケティングを「デジタルに置き換えた」ものなのです。

 システムやツールの運用を通常業務化できたとしても、そもそものマーケティング戦略がなければ、システムやツールの活用は「業務の最適化」の域を出ません。もちろん、情報の共有や資料作り、入力作業やチェックの簡略化など業務の効率化ができ、その分を前向きな仕事の時間に使えるという点では「業務の最適化」も悪いことではありません。

*デジタルマーケティングを推進することで何が起こるかを共有する

 デジタルマーケティングを推進するために望ましいことは、デジタルマーケティングを推進することで会社に何が起こるのか、これまでのビジネスがどう変わるのか、そのマーケティング戦略をスタッフの皆さんに共有することです。

 デジタルマーケティングのシステムやツールを導入することで、情報共有・資料作り・入力作業・チェックなどが効率化されたり、リモート作業が可能になったり、社内のサーバ管理の必要性がなくなったりすることは、スタッフの皆さんの「目先の効果」としては重要です。ただ、デジタルマーケティングを推進することで会社がどう変わるか、もっといえば「ビジネスがどう良くなるか」を伝えることが大切なのではないでしょうか。

 まずは「自社のマーケティング戦略とは?」その整理から始めてみるのが良いかもしれません。