著者:石田 麻琴

「向いているか向いていないか」は最初の仕事でわかる【no.1805】

 最近、新しい顧問先の皆さんとミーティングをおこなったり、定例のミーティングに新しいメンバーが増えたりする中で思っているのは、「得手不得手をつかむことの大事さ」です。

 得意不得意にかかわらず誰でもできて欲しい仕事がある一方で、仕事を深堀りする中ですんなり取り組めたり、いまいちストレスを感じてしまったりするのは人それぞれ。運動が得意な人もいるし、読書に抵抗がある人もいる、運転が上手な人もいるし・・っていうことですよね。

 大切なのはこれをいかにして見分けるか、であって、極端に言ってしまえば早く見分けられれば「不得手」のストレスを与えなくて済むし、会社としても余計なコストとリスクを冒さないことができます。

 私がサラリーマン時代、前職の社長から教えてもらったのは「向いているか向いていないかは最初の仕事でわかる」でした。

*「ミスなく」が当たり前ではなかった仕事

 2005年の入社当時、社員10名のドベンチャーだったため、何から何まで仕事をやらせてもらうことができたわけですが、入社して3か月くらいした頃にネットショップの「商品登録」の仕事をすることになりました。

 これは毎週金曜に誰かがおこなっていた仕事で、商品画像や商品紹介テキスト、取引先の在庫数や販売金額などなど、1週間で蓄積したデータを集めてきてネットショップに登録する業務です。この役目が私に回ってきて、その時は12-3商品の登録だったと思うのですが、先輩がチェックをするんですね。私の登録にミスがないかを。

 それでこのとき、先輩が「まこっちゃんすごいよ」と。何ですごいのかというと、登録ミスが1つもなかったと。普通は12-3商品を登録すると「商品番号ミス」とか「スペック欄ミス」とか最低5-6個は修正が入るんだけど、初めての商品登録でミスしなかったのはまこっちゃんだけだよ、と。

 私としては「いや、これ、そんなにミスするような仕事じゃなくない?」という感じだったのですが、「向いてる仕事」の自分的な感覚って、えてしてこういうもんなんですよね。「え?そこまででもなくない?」っていう。

 その後何年かして、社長と話しているときに例の「向いているか向いていないかは最初の仕事でわかる」が出てくるわけですが、「まこっちゃんも最初から商品登録ミスらなかったでしょ」と。この言葉がすごく印象に残っているし、「確かに」と思う場面にその後何度も出くわしました。

*「向いているか向いていないか」を把握しておくことが大事

 会社の規模やフェイズ、状況によって「向いていない仕事」を任せなければいけないタイミングがあると思います。「向いている」仕事だけで会社がうまく回るならラッキーな状態で、人材の適材適所がガッチリはまっている状態なのでしょうが、市場は変化しますから、必ず歪みが起こります。

 大切なのは、本質的にその人に「向いているか向いていないか」を把握しておくことで、「向いていない」仕事を「努力や経験によって改善可能」だと思って任せ続けるのはあまりおすすめできません。努力や経験に対してパフォーマンスが上がらない状況が続けば、精神的にも追い込まれます。やはり「最初の仕事ぶり」を見ておくことですし、「記録に残しておくこと」が大切です。人は必ず忘れますから。

 スタッフの皆さんは「最初の仕事」が上手くいかなかったとき「改善します」とか「今回のことで気づきました」とか「次は大丈夫です」とか言ってくれると思うんですけども、経営者や事業責任者、マネージャーの皆さんは、その気持ちは汲みつつも、冷静な目で仕事を配分することが重要なのではないかと思います。スタッフの皆さんは「頑張ってくれちゃい」ますから。