著者:石田 麻琴

「お客様がお客様を呼ぶ仕組みをつくる」とは?後編【no.1872】

 今回は「お客様がお客様を呼ぶ仕組みをつくる」ことについての後編です。ぜひ前編を読んでから、こちらを読んでもらえればと思います。(前編は前回です)

 暗闇エクササイズ系スポーツジムの専用Twitterアカウントを作成し、運用をはじめてから気がついたことなんですが、スポーツジムの情報をTwitter上で交換しているコミュニティ(界隈みたいな表現が適切かも)にもヒエラルキーみたいなのが存在するんですよね。毎月めちゃくちゃな数のレッスンを受けてる人とか、界隈の中でもはるか昔からこのスポーツジムに通っている人とか、強度の高いレッスンばかりを受けている人とか。みんなのまとめ役的な人とかもいます。

 こういうのって、界隈の中に入り込んでみないとわからないことだったりすると思うんですが、「情報の中心」になっている人って必ずいるんですよね。その人(人たち)を中心にして、スポーツジムの情報交換が展開されていってるわけです。そして、会員同士が勝手に情報交換し、勝手に盛り上がって、また明日スポーツジムに通うのを楽しみにするわけですが、これってスポーツジムの運営会社側は一切介在してないことなんですよ。驚くことに。「お客様がお客様を呼ぶ仕組み」もそうですし「お客様同士が勝手に盛り上がる仕組み」が出来上がってしまっているわけです。

 今年の7月に専用アカウントを作成した私の場合、私がTwitterで最初に情報を検索した時点ではすでにこのスポーツジムの「界隈」は出来上がっていて、その中に飛び込んだカタチなので、今までどのようなカタチでこの「界隈」ができてきたのか、その過程を知ることができません。ただ、マーケティングを展開していく皆さんも私も、なんとなくこういった「SNSを活用したお客様同士が勝手に盛り上がる状態」が大きなキーポイントなのではないかと感じているはずです。

 よく企業が「ウチのサービスを使った画像をインスタに上げてください!」的なキャンペーンをおこなったりします。私もクライアントさんと同じようなことをやったことがあるんですが、ほぼ無風でした。でも、このスポーツジムの事例のように「会員同士(=ユーザー同士)」では、界隈が出来上がっていて、活発な情報交換がなされていたりするもんなんですよね。そう考えると、「ウチのサービスを使った画像をインスタに上げてください!」的なキャンペーンがいかに的はずれだったかがわかるかも・・

 この「界隈」のつくり方について知恵をふり絞ってみたのですが、ポイントになるのは、そのサービスや製品のことを激しく知っていてSNSで発信をしてくれる「情報の中心」の1人目をいかにつくれるかってことだと思うんですよね。もし、私がスポーツジムについてTwitterで検索したときに、スポーツジムについてツイートしている人があまりいなかったとしたら、そこで止まっちゃったと思うんですよ。おそらく、サービスについてSNSで発信してくれている人よりも、サービスについてSNSで検索している人の方がはるかに多く、その「検索(=情報)の落としどころ」がなければ、「界隈」はできないと思うんですよね。

 サービスや製品のユーザーの皆さんって、サイレントに応援してくれている層って実はそれなりにいて、SNS投稿の反応が数字上(いいね!の数とか)イマイチだったりしても結構見てくれているものなのです。この「サイレント応援ユーザー」の皆さんを、いかに「情報の中心」に引っ張り出せるか、まあ「中心」とまではいかなくてもまずは「自分たちから発信」してもらえるか。ここが次のポイントなのでしょうが、ファンミーティングやフォーカスグループインタビューみたいな、「リアルな場」が大きな役割を果たすのではないかと何となく感じています。