著者:石田 麻琴

マーケティングは「いままで」の整理から始める。前【no.1879】

 売上を伸ばしていくためのヒントって、必ず「いままで」に隠れているはずなんですよね。昨日今日事業を始めた会社さんだと事業としての「いままで」は存在しないわけなんですが、事業をつくった人(=経営者)の「いままで」は確実に存在するわけですから、やっぱり「いままで」にヒントが隠れているわけです。

 弊社ECMJのクライアント様は30年以上事業を継続されてきた会社さんがほとんどです。こういった会社さんはそもそも30年以上事業が継続されているわけですから、必ず「いままで」に生き残ってきた「理由」が隠されているわけです。スタッフの皆さんはここに気づいているかもしれないし、気づいていないかもしれない。この「いままで」を整理せずに、どこか「新しいマーケティング」を模索するのは愚の骨頂ですよね。

 なので、いままでマーケティングといったマーケティングを展開していなく、これからマーケティングを展開していく会社さんはまず「いままで」の整理からスタートしなければいけないわけです。そして「いままで」の整理はデータを集めるところから始まります。たとえばスーパーやコンビニエンスストアのような「実店舗」をケースにして考えていきましょう。

 セブンアンドアイやファミリーマートといった大手の実店舗ならまだしも、中小の実店舗の会社さんでマーケティングに力を入れている会社は「正直にいうと」そう多くはないと思います。もともと店舗を構えていた立地がよかったり、駅からの導線がよかったり、街がなぜだか大きくなっていったりと「外的要因」が影響をおよぼしやすいのが実店舗です。ただ、今回のコロナ禍でそれらが「外的要因」だとはっきりわかってしまった・・のも実店舗だったりします。ああ、我々はマーケティングをしてきたつもりだったが、それは果たしてマーケティングだったのだろうか、と。

 先にも書いたとおり、マーケティングのスタートは「いままで」の整理です。まずはデータを集めることです。実店舗の場合だと、売上・お客様数・客単価あたりでしょうか。このあたりの数値項目はどの実店舗でも取れますし、メインとなる指標として設定できる部分ではないかと思います。これらのデータを集計しましょう。月次で3年間くらい出してみると良いかもしれません。

 売上・お客様数・客単価。この3つの数値項目を12ヵ月×3年分算出し、エクセルに吐き出して並べてみます。データをみているとそれだけで疑問がわいてくるはずです。「なんでこの月は突発的に売上が伸びているのか」「なぜこの月とこの月は売上は変わらないのにお客様数が全然違うのか」「お客様数が少ないのに客単価が高い月があるのはなぜか」などなど。データをみるときのポイントは、「変化」を見ることです。もう少しカッコよくいえば「流れ」を見ることです。

 この場合、12ヵ月×3年分の36ヵ月のデータが並びます。売上は36ヵ月でどういう風に変化しているのか、お客様数は36ヵ月でどういう風に変化しているのか、客単価は36ヵ月でどういう風に変化しているのか。まずはひとつの項目について横から眺めていってください。突発的に伸びている月や凹んでいる月、売上の増加が始まっている月など気になるところが出てくるはずです。これを売上・お客様数・客単価とひとつずつ見ていってから、みっつの数値項目を同時に36ヵ月分眺める訓練をしていきます。そうすれば、先に書いた「なぜこの月とこの月は売上は変わらないのにお客様数が全然違うのか」のような複数の数値項目をまたがった疑問が生まれてくるはずです。極端にいえば、データ活用はこの繰り返しです。マーケティングをスタートさせるために、まずはデータを眺めてみましょう。

 次回に続く。