著者:石田 麻琴

5年半ぶりに引っ越し業者さんに見積りを依頼した話。終【no.1887】

 前回・・というか【no.1878】のコラムを読んでからこちらをご覧ください。

 引っ越し屋さんの見積りについては前回と前々回のコラムで書いたとおり。最初の見積り金額の25%ほどの値引きで着地したものの、某引っ越しサイトの見積り例などをみていると「ちょっと高いのではないか?」という気分になってくる。営業さんは「見積り=工数(人数×時間)」だといっていて、たしかにそれは間違いではないと思うんだけども、時間の見積りがどれくらい正しいのか。ということで引っ越し当日編。

 今回依頼させてもらった引っ越し屋さんの営業所が自宅の近くということもあり、当日は朝イチの作業に。これは事前に連絡をもらえていて、朝イチは非常に助かる。予定どおりの8時ピッタリにきてくれた。作業員の方は3名だったのだけれど、たぶん2名はアルバイト。社員(なのかリーダーなのか)らしい方が最初にご挨拶にきてくれたのだが、物腰が優しすぎ。見た目も話し方も「シソンヌのじろう」っぽい感じなのだが、これでみなさんには伝わるだろうか。とにかく、こちら側が強きで何か意見を言おうとする気持ちが削がれてしまうような物腰なのである。

 細かい荷物をすべて段ボールにまとめ、しかもすべての荷物自体を同じ部屋へ事前に集めておいたのでサクサクと作業が進む。我々家族はそれを横から見ているだけ。30分で段ボールと家具の搬出が終わり、洗濯機や冷蔵庫の大物家電に取り掛かる。このあたりで結局20分。9時前には搬出の作業が終わってしまった。アレ?搬出で120分を見込んでいたような。まあ、早く終わる分にはそれはそれでうれしいのだが。

 ここから引っ越し屋さんも私も新しいマンションまでそれぞれ車で移動するのだが、朝の時間帯ということもあり渋滞がすごかった。通常だと20分くらいの距離なのだが、倍ほどの時間がかかる。私が引っ越し先のマンションについたのが、9時半すぎ。引っ越し屋さんがマンションについたのが10時ちょうどくらい。見積り時点のスケジュールよりも1時間弱早いペース。

 ここから搬入が始まるわけだが、冷蔵庫を設置するときにシソンヌじろう似のスタッフさんから提案が。「冷蔵庫なんですけど、マットを敷いた方が床が傷まないんですよ。よろしければ購入されませんか」と。なんと、いきなりのクロスセル戦略!おそらくマットは普通のアクリル板なのだが、冷蔵庫を設置するこのタイミングしか判断ができない(後から買いにいって設置し直しは面倒)ことから、高い決断力が必要とされる事態に。「もし床が傷んだらマンションを出ていくときに敷金が減るわけだから、購入しておいた方がいいか」と自分を納得させ、購入。しかしアクリル板一枚なのにお値段は高額。(うん千円)

 いやらしいのだが、ここで思ったのはこれから搬入を進める上で、冷蔵庫マット以外のクロスセル戦略を繰り出されるのではないかということ。洗濯機で何か、テレビで何かとか繰り出されまくったらお金が足りませんぜ。と、不安をかかえながら様子をうかがっていたのだが、これ以上のクロスセル戦略はなし。

荷物の搬入が終盤に差し掛かると同時に、新居にやってきた実母、義父、義母がガンガン開封作業をはじめてしまい室内は無法状態に。カオス状態の中、いつの間にか荷物の搬入が終わり、人々の間を縫ってシソンヌじろう似のスタッフさんが「すいません。作業が完了しましたので、お会計になります」。裸のまま現金をお渡しして、なんだかよくわからないまま引っ越しは終了。

 トータルの時間で換算すると見積りのときよりも30分以上は短かったと思うのだが(渋滞がなければ1時間)、まあそんなことはどうでもよくなってしまった。商売において、この「どうでもよくなった」状態って何気に重要かもね。完