ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

コンサルタントが教える!Eコマース成長の法則。1【no.1889】

(こちらは2021年公開のコラムです)

 前回の序章のコラムを読んでからこちらを読まれてください。

 「コンサルタントが教える!Eコマース成長の法則」というテーマで書いていきます。会社のひとつの「事業の柱」を目指してEコマース事業に取り組んでいくとき、事業者のみなさんがいくつか悩まれることがあると思います。ひとつは組織と人材について、もうひとつが初期コストの判断基準について、そしてネットショップのコンセプトについて、このあたりではないかと思います。ここからはこの3つの課題をひとつずつ解説していきます。

 ひとつ目はEコマース事業に本格的に取り組んでいくときの「組織と人材」についてです。Eコマース事業をどの部署に担当してもらうか、部署間を超越したプロジェクトチームを形成する方がいいのか、どんなメンバーにEコマース事業を担当してもらうのがいいのか。このような疑問を抱えている会社さんがいらっしゃるかと思います。まずどんなメンバーにEコマース事業を担当してもらうのがいいのか。人材の部分から考えていきましょう。

 このコラムを読まれている会社さんではすでに明確にEコマースの担当者を決めているところもあるかと思います。その場合は当然ですが、その担当者さんにお任せするのが良いと思います。特別な理由がなければ途中で変える必要はありません。ただ、これからEコマースのチームをつくる、再編成をおこなう、担当者を決めるといった場合であれば、少なくとも「自社のサービス、商品、そして業務の知識がある」かつ「デジタル(特にスマートフォン)に抵抗がない」方を選択した方が良いかもしれません。入社3-4年目の若手社員みたいなイメージでしょうか。

 まず前者の「自社のサービス、商品、そして業務の知識がある」についてです。オンラインで独自のサービスを展開していく可能性はあるものの、基本的にEコマースは既存のサービスや商品の販売チャネルのひとつとしてスタートすることになります。「自社のサービス、商品」の知識がなければその魅力をお客様に伝えることができません。またEコマース事業の仕事にはWEB制作やインターネット広告といったオンライン上の仕事以外にも、在庫管理や発送業務などバックオフィスの仕事も含まれます。「自社の業務知識」がなければ会社全体を巻き込んでいくのは難しいでしょう。

 Eコマースの担当者を「採用」で補うか「育成」で任せるか、という議論がありますが、社内メンバーの「育成」をおすすめする理由がこれです。「採用」で補った人材はあなたの会社のサービスのことも商品のことも業務のこともよくわかっていません。企業というのは独自の文化やローカルルールのかたまりなので、インターネットの知識やパソコンソフトのスキルを持っていたとしても、組織に順応し周りを巻き込んでいけるかといえば別の問題です。人材の成長の時間は多少みることになりますが、「育成」の選択肢をとった方が持続的な成長が実現できると思います。

 そして後者の「デジタル(特にスマートフォン)に抵抗がない」についてです。あたり前ですが、お客様はスマートフォンやパソコンを使ってネットショップに訪れ、ショッピングを楽しんでくれるわけです。Eコマースの担当者が仕事のためにデジタルを使うのでは、お客様に提案することの勘所を掴めるわけがありません。私生活でも使いこなしているからこそ、ユーザーにささる勘所がわかり、新しい施策や改善策につながっていくのです。

 この事実を笑ってはいけません。SNS(ソーシャルメディア)の運用を多くの会社が自社人材でおこなっていますが、自分個人のアカウントを持っていなく、持っていても活用しておらず、仕事のためにSNSに投稿している人がほとんどなのです。これではユーザー側にささる発信ができるわけがありません。

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ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。