ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

自社サイトはどれくらいのコストをかければいいのか【no.1981】

 自社サイトはどれくらいのコストをかければいいのか。

 自社サイトはどれくらいのコストをかけるべきですか、という質問をよくいただきます。「どれくらいの予算を見込んでおいた方がよいでしょうか?」。というご相談の回答もかねて、今回のECMJコラムは「自社サイトのコスト」について。

まず自社サイトの導線を考えることが肝心

 自社サイトでのEC運用を選択する際、まず頭に入れておきたいのが導線です。お客様がどうやって自社サイトにいきつくのか。ショッピングモールでのECであれば、検索バーを使っての商品検索がメインになります。これが自社サイトの場合、対策をしなければ「検索からの流入」もあまり見込めません。どうやって自社サイトにいきつくのかを考えてみてください。

 ひとつはインターネット広告という選択肢です。ただ、EC事業のスタート時点から広告予算が取れる事業者は多くないと思います。次に検索です。検索からの流入を狙う場合、コラムを活用したコンテンツマーケティングが一般的です。商品に対する想いや、商品の活用方法のコンテンツを作成し続けられるならばアリです。そしてメディアです。大手のメディアに取り上げられることは簡単ではありません。しかしSNSを活用して対象となるお客様を集めてくるのはそう難しくはありません。現在のブランドの認知度アップ、集客手段のメインになっているのがやはりSNSです。

SNSが自社サイトの存在を変えつつある

 SNSを使ってお客様を誘導するとします。発信するべきなのは商品の情報だけではありません。商品やブランドのコンセプト、立ち上げの苦悩や商品開発におけるストーリー。これらをコンテンツとして情報発信をしていきます。リアルのイベントを絡めて、お客様に実際に商品を見てもらう機会をつくります。また商品を使ってもらってお客様自身に情報を発信してもらう機会をつくります。こうやってブランドに共感してもらい、商品により興味をもってもらうわけです。

 こう考えると、SNSはすでに「商品ページ」のような役割をはたしているわけです。ブランドのコンセプトからイベント情報、商品の詳細や使用画像。またお客様からのお問い合わせやリクエストの管理はSNS上でできてしまうわけです。そうなると、自社サイトの存在意義ははたしてどうなるのか。ここを考える必要が出てきます。

場合によっては0円で良いのではないか

 これまでは実店舗で商品をみてオンラインショップで買うという流れができていました。しかし新しい流れが生まれてきています。SNSでブランドを知り、リアルのPOP UPで商品を確認し、商品を購入するという流れです。お客様が商品ブランドを知る流れが逆走し始めています。いわゆる固定化された自社サイトはマーケティングに当てはまらないことになります。

 「自社サイトはどれくらいのコストをかけるか」これは難しい問題です。お客様への認知の仕方、ブランドの伝え方によっては、「まずはゼロ円から。後は運用状況をみて機能拡充」で良いのではないでしょうか。

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石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。