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年末年始「Netflix」にドハマりして思ったこと【no.1989】

 年末年始「Netflix」にドハマりして思ったこと。

圧倒的な勝ち組が「Netflix」

 少し前に「GAFA」という言葉がありました。ご存じの方も多いと思います。アメリカの「Google」「Amazon」「Facebook」「Apple」の頭文字をとって「GAFA」と呼ばれていました。最近はここに「N」が加わって「FANG(Appleが抜かれる)」と呼ばれています。この「N」が表わす企業は「Netflix」です。

 オンラインの動画配信サービスは、他にも「Amazonプライムビデオ」「Hulu」などがあります。国内でも「Paravi」「U-NEXT」「TELASA」など。主に民放のテレビチャンネルが中心に展開している動画配信サービスがあります。これら定額制のサービスの中で、圧倒的な勝ち組になるのが「Netflix」です。「Netflix」社のスタートは1997年ですが、日本に登場したのは2015年頃でした。

制作費の時点でも日本のテレビ番組を凌駕している

 オンラインの動画配信サービスというと、「昔のテレビが見れるの?」が以前の感覚。「Youtubeでいいじゃん」と無料の動画配信サイトとの比較がわからない状態でした。国内の動画配信サービスはこの状態なので有料化の境目をイマイチ出られていません。「Netflix」の場合は自社で独自のコンテンツを制作しているところが異なります。つまり、「Netflix」はひとつの動画サービスとして成り立っているわけですね。

 「Netflix」は現在日本円で2兆円もの番組制作費を有しているといわれています。独自コンテンツである「全裸監督」は、民放の数倍の制作費がかけられていたようです。後発サービスは資金力も弱く、「少ない制作費でアイデア勝負」のイメージがあります。しかしすでに制作費の時点でも日本のテレビ番組を凌駕しているわけです。「全裸監督」の主演は山田孝之さんでしたが、超一流の俳優を招く資金力があります。

徹底的にユーザー側を向いたコンテンツを制作している

 では「なんでそんなに資金力があるのか」。ひとつは「サブスクリプション」というビジネスモデルからでしょう。「Netflix」は月額定額制であり、ユーザーから直接売上をいただいているモデルです。当然、加入率や解約率、協業先へのマージンなども綿密に計算しているのだと思います。そして継続率に比例するのがコンテンツ力です。サブスクのビジネスモデルは広告主から収益を得る日本のテレビのモデルと異なります。それが徹底的にユーザー側を向いたコンテンツ制作を可能にします。やっぱり継続の源泉は「商品力(=コンテンツ力)」です。

 そしてもうひとつ、これは「FANG」すべてに共通することです。おそらく「最初から全世界向けのビジネス」として展開されています。日本のテレビドラマはあくまで日本のユーザー向けにしか作られていません。しかし「Netflix」は最初から全世界に配信することを前提にコンテンツを制作しています。おそらく話題性や初速データをみながらコントロールしているのでしょう。

比較的モデルとして近しいのは「Amazon」

 そういった点でいうと、比較的モデルとして近しいのが「Amazon」である気がします。やはり「Amazon」も独自サービスを進めつつシステムを整えつつという感じです。しかし「Netflix」には「在庫」という概念がないので、より自社のデータが活用しやすいかなと。おそらく動画配信サービスはまだまだこれからだと思うので今後の動きに注目です。

 そんな私が年末年始に「Netflix」にドハマりしていた、という話でした。

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石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。