ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

仕事ができる人って「計算ができる人」?【no.2206】

 「仕事ができる」という言葉があります。「どんな人が仕事ができると思いますか?」と聞くと、人によって様々な意見が出てきます。「どんな人が仕事ができないと思いますか?」も同様です。人のこれまでの仕事の経験によって、重きをおくポイントが異なるのだから当然だと思います。今回のテーマは「どんな人が仕事ができるか?」についてです。

*どんな人が仕事ができると思うか?

 「どんな人が仕事ができると思うか」。回答として多いのは、以下でしょうか。

・「目的」や「ゴール」から逆算して行動することができる人

・仕事の「ホウレンソウ(報連相)」を漏れなくおこなう人

・実行のスピードだけではなく、着手のスピードが早い人

・場の雰囲気を変えるひと言が言える人

・チームで成果を出すため、相手の立場や感情に配慮できる人

 人の経験や立場によって、いろいろな意見が出てくると思います。そして、ここにひとつ加えたいのが「計算ができる人」ではないかと感じています。「計算」といっても算数や数学が得意な人という意味ではもちろんありません。「成果」が計算ができる人、という意味です。

*チームプレーと品質・納期の両立

 仕事はチームプレーです。個人だけで完結する仕事は限りなくゼロに近いと思います。たとえば小説家のような個人プレーに見える仕事でも、編集者や印刷会社など、ビジネスにはたくさんの人が絡んでいます。もしもオンラインでしか購読できない小説家がいたとしても、そのシステムを提供している企業がいるはずです。

 99%、仕事はチームを動かして進めていかなければいけません。ただ、一方で仕事には「品質」と「納期」が必ず付きまといます。場合によっては、その先の「成果」も重要になります。チームを動かしていく一方で、品質と納期を担保しなければならない、これが仕事の難しさだと思います。

 この品質と納期。どちらかといえば品質は守られることが多く、より難易度が高いのは納期を守ることに感じます。納期は自己管理によって守ることができるのに対して、品質は自身の実力や経験が関わるのにです。つまり、一見すると納期の方が守るのが簡単のように思えるのですが、実際は納期の方が守られないことが多いのです。

*納期が「ブレる」方がより困る

 仕事の依頼をするとき、その依頼に対して「品質と納期」の目星をつけます。その判断基準は過去の実績から検討するケースが多いと思うのですが、判断がつかない場合も多い。品質はある程度の上下があったとしても、確認と修正のスケジュールを組むことでフォローをすることが可能です。問題は納期の方です。納期が「ブレる」場合は、品質の「確認と修正の」バックアップをすることすらできなくなります。

 スケジュールどおり進めば、品質はカバーすることができる。しかし、スケジュール自体が壊れてしまったら、品質も納期もともに崩れてしまう可能性がある。この「スケジュール=納期」を守る人こそ「仕事ができる人」、そして「計算ができる人」なのではないかと思います。

 とてつもない実力があるエンジニアさんがいたとしても、納期どおりに上がってくる確率が50%だったとしたら、実力はそこまで足らなくても100%納期を守る人に仕事を依頼した方がいい。こういったケースは比較的多いのではないでしょうか。経営としても大切なのは、「計算ができない人」に仕事が回らないように、品質と納期が「計算ができる仕組み」をつくることであるはずです。

 その点、AIです。品質は扱う人間の指示によります。ここは人によります。ただ、納期は即時です。AIによる納期遅れはありません。「スケジュールの計算ができる」。この点でいえば、AIは人間よりも優秀です。そして、納期を守れない人間にとっては、今後かなり厳しい世の中になるのではないかとも思えます。

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ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。情報産業経営者稲門会役員。日本道経会理事。 UdemyにてECマーケティング講座配信中。 こちらから