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SMAP(スマップ)の独立問題ついて、ジャニーズ経営陣側から考えてみる【no.0852】

 先日、とある経営者さんと世間話をしていたときに、巷をにぎわしているSMAP(スマップ)の独立問題の話になったんですね。てっきり「いやー、あの4人はかわいそうね」とか「メリー喜多川が問題よね」とかそういう話になるのかと思っていたら、その経営者さん、

 あれはマネージャーと4人が悪いよね。

 という逆方向の意見を出してきたわけです。そこで、ここではあえてジャニーズの経営陣であるジャニー喜多川さん、メリー喜多川さん、ジュリー藤島さんの立場に立って考えてみたい。

 ちなみに、感情的になっている話題なので先にいっておくと、私も「あの4人かわいそうね」「ジャニーズひどいなぁ」派ではあります。SMAP自体は特別にファンということはないけども、中居くんにはジャイアンツファンで原辰徳前監督ファンなので親しみを感じています。(程度)

 また今回の経緯について、マスコミが様々な視点から報道をしているが、何が真実なのかは当人たちしかわからないことなので、ひとつの考え方として読んでもらえればと思います。(感情的になりそうな人は、ここから先を読まないこと)

 まず、きちんと認識しておかなければいけないことがあります。SMAPの5人はジャニーズ事務所の「商品」であるということなんですね。自分たちと同じ人間の恰好をしている5人なので、感情を持った一個人のようにどうしても捉えてしまうのだけれど、ジャニーズ経営陣にとってはSMAPの5人はひとつの「商品」であるわけです。

 なので、SMAPというのはある意味「南アルプスの天然水」や「週刊ダイヤモンド」と変わらないわけなのですね。ここがジャニーズ経営陣の主張と一般世論とのズレが起こる部分かと思います。SMAPの5人は人間の形をした「南アルプスの天然水」なわけです。

 その「南アルプスの天然水」を売る、売り方を考えるのがマネージャーの役目なわけです。いまSMAPにはブランドがあるので自分たちが自分たちで自然に売れていっている感じになっているんだけども、マネージャーがSMAPを商品として営業してきたからですね。ここは共通認識と思います。

 ここからは一般企業と同じことなんですが、営業が退職して「独立します」というのはわかる。ただ、営業が「自社の商品を持って独立します」というのは普通に考えてありえないわけです。なぜなら、商品というのは会社の資産だから。ジャニーズ事務所のものであり、株主・経営陣のものです。なので「南アルプスの天然水」が主張するんじゃねーよ、はある意味普通なような・・

 芸能界の風習とか「SMAPと一緒に出ていけ!」と言ったらしいとか、事情はあるのだろうけど、一般的論理からするとこれですよね。マネージャーの独立は個人の自由。ただし、商品は会社のもの。ジャニー喜多川さんもメリー喜多川さんもジュリー藤島さんも、ただこれだけを主張しているだけなのに、マスコミに誤解を受ける書かれ方をしちゃっているんじゃないかなぁ~。

 こう考えると、SMAPの5人もマネージャーもジャニーズ経営陣も実はみんな得をせず、商売のタネができたマスコミだけが得をしているという、よくあるパターンのように感じてきませんか?

 ちなみに業界全く別ですが、コンサルタントという仕事も人間自体が「商品」になる仕事なので、個人と商品を切り離しづらい(でも切り離さなきゃいけない)という気持ちがなんとなくわかります。逆に経営陣にとっては「商品」だとしても、お客様からここまで感情移入をされることは非常に嬉しいことだと思いますけどね。

 おわり。

 

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ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。