ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

スマートフォンの普及で、ネットショップ運営はどう変わる?【no.0472】

 ネットショップのあるあるストーリー、「鬼切社長シリーズ」。(前回はこちら

「いやいや、なるほど。先日、猪井氏(いいし)先生とおにぎり水産ネットショップの数字について話しましたが、その中でも物流費は大きな割合を占めていました。荷物が倍になると、単純に物流費も倍になりますよね。その理由がこちらにある以上、お客様に負担させるわけにはいかない、と」

 鬼切社長はメモを取りながらいいました。「もし、これをお客様の負担にすると、どうなると思います?」。麻間(あさま)さんが鬼切社長に質問をします。

「たぶん、自分だったらですけど、そのネットショップではもう買わないかもしれません。特段、欲しい商品が無い限りは・・」

「そうですよね。ネットショップの都合で送料を倍も取られてしまうならば、それを知らなかった1度目は仕方なく利用したとしても、2度目は買われない可能性が高いでしょうね。場合によっては、1度目の購入から、キャンセルの連絡が来るかもしれません。クレームにもなりかねませんね」

「え、でも、麻間さん、それって、ネットショップの店舗情報や商品ページのどこかに書いてあれば、お客様も仕方なく納得してくれるのではじゃないですかね?それでも、クレームになるのでしょうか?」

 鬼切社長は少し驚いて言いました。

「クレームになるでしょうね。お客様がそこまで店舗情報や商品ページを見ていない可能性もありますから。しかも、スマートフォンがこれだけ使われるようになりましたから、これからはより『特別な情報』が目立たないようになっていくでしょうね。今後のネットショップ運営のキーポイントになるかもしれません」

「それはつまり、スマートフォンの画面が小さいので、店舗情報や商品ページの注意書きがパソコンでのEコマースに比べて目立たない、ということでしょうか?」

 麻間さんは、「ウンウン」と2度うなずいて答えます。

「それはありますよね。パソコンに比べて画面が小さいですから、スマートフォンだとひと目で確認できる情報が必然的に少なくなります。かといって、パソコンの画面を縮小したようなページのレイアウトだと、内容が細かくなって見えづらかったり、リンクをクリックできなくなったりして困りますよね」

「麻間さん。実は私も最近スマートフォンに買い替えたんですが、パソコンの画面を縮小したようなページ、たくさんありますよね。あれって、何とかならないのでしょうか?」

「スマートフォンからページにアクセスされたときに、スマートフォン用のレイアウトに変換をするプログラムを組むことで対策をすることが可能です。そうすれば、パソコンでの画面を縮小したようなページにはならず、読みやすく、リンクもクリックしやすくなるのですが・・。鬼切社長、ちょっとこのページを見てみてください」

 麻間さんがスマートフォンを触り、画面を鬼切社長に見せてきました。どこからネットショップのサイトのようです。

「これが、一般的なスマートフォン用のレイアウトです。ちょっと触ってみてください。何か、気づくことはありませんか?」

 鬼切社長は麻間さんから手渡されたスマートフォンの画面を触ります。慣れない手つきで、表示されたページをスクロールし、他のページのリンクに飛んでいきます。そして、またページをスクロールし、他のページに飛んでいきます。これを数回繰り返しました。

 「うーん、確かにスマートフォンでよく見るページなのですが、どんな秘密があるのかがサッパリいまいちわかりません・・」。鬼切社長は申し訳なさそうに言いました。

「鬼切社長、すいません。もしかしたら私の質問の仕方が変だったかもしれませんね。すでに当たり前すぎで気づかないことなのかもしれませんが、スマートフォン用のレイアウトって、基本的には情報が『縦型』に並ぶようになるんです」

 つづきはこちら

本記事の著者へのお問い合わせはinfo@ecmj.co.jpまで。

カテゴリー: 0.ECMJコラムALL, 連載, 鬼切社長シリーズ

ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。