ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

ネットショップにおけるメールマガジンの成果検証の方法。検証具体策編【no.0523】

 メールマガジンの成果検証の方法について。(前回はこちら

 前回のブログでは、メールマガジンの成果を検証するために取得しておきたい数値項目とその考え方について紹介しました。成果の元になる数値項目として取得したいのは、メールマガジンの「配信数」「開封数」「開封率」「リンクのクリック数(ページ閲覧数)」「リンクのクリック数(ページ閲覧数)率」「受注数」「受注率」の7つの項目です。ショッピングモールや自社サイト、メールマガジンの配信ツールによって取得できる数値項目は異なりますが、スムーズに成果検証をおこなっていくならば、この7つの項目を取得できるようにするのが理想です。

 この7項目の中で「リンクのクリック数(ページ閲覧数)」は、ひとりのユーザーが複数のリンクをクリックする可能性があるため注意が必要だ、という話をしました。「リンクのクリック数(ページ閲覧数)」と「リンクのクリック数(ページ閲覧数)率」のふたつの項目を抜いて、残りの5項目でメールマガジンの成果検証をおこなっていくという考え方もありますが、これだと「メールマガジンを開封した人のうちネットショップのページを見た人の数(率)」、「ページを見た人のうち、商品を購入した人の数(率)」という重要なステップの検証が抜け落ちてしまうことになります。

 成果検証を正確なものにするため、具体策として考えられるのが「メールマガジン内のサイトリンクを1リンクのみにする」という方法です。こうすれば、メールマガジンの「配信数」「開封数」「リンクのクリック数(ページ閲覧数)」「受注数」と、その引き上げ率を一元的に管理することができます。もちろん、メールマガジンにのせるリンクについては、メールマガジン内からしか飛ぶことができない、いわゆる「別ページ」を用意しておいてください。別ページを作っておけば、複合的な要因の絡まない正確な成果検証をおこなうことができます。

 自社のネットショップがショッピングモールに出店している場合、別ページを用意することが好まれないこともあると思います。メールマガジン経由のお客様も他のお客様と同一のページに流すことで、ページの閲覧数が増加し、ページから受注数が増え、ページへの評価が付き、結果的にショッピングモール内での検索順位に影響が出て、店舗全体の流入数が増えるからです。メールマガジン経由で購入されたお客様には「クーポンコード」等を書いていただき、通常受注とメルマガ受注の判断をおこなうという方法はありますが、入力をされない方もおられるので、きれいな成果検証はできなくなります。

 別ページを作成しメールマガジンの成果検証を正確におこなう、自社のメールマガジンのレベルがどれくらい上がっているかを確かめるのと、同一ページにお客様を流し込み検索順位のアップを狙うのとはトレードオフの関係です。ネットショップを運営していく上でどちらも大切なことですから、「月初のメールマガジンのみメルマガ1リンク、別ページへ誘導」とし、成果検証を正確に進めていく、などでも良いと思います。

 ちなみに、「1メールマガジン1リンク」の内容にすることが難しい場合、メールマガジン内における「最初のリンク」をメールマガジン成果検証の「リンクのクリック数(ページ閲覧数)」として定義する方法があります。メールマガジン内には複数のリンクが存在しても、最初のリンクのクリック以外は「成果としてみなさない」という考え方です。メールマガジンの成果検証をおこなっていく中で、大切なのは「評価軸を固定しておく」ことですから、「最初のリンクのクリック数(ページ閲覧数)」を評価軸にするのは全く構いません。大切なのは、軸をぶらさないことです。

 ここまでメールマガジンの成果検証の方法について書いてきましたが、メールマガジンの配信は「配信数」を決めるまでの顧客リストの「セグメンテーション」が重要です。つまり、メールマガジンを「誰に送るか」ということです。次回はそちらを解説していきます。

 つづきはこちら

カテゴリー: 0.ECMJコラムALL, 3.Eコマースの収益アップ, 5.Eコマースの分析, 8.Eコマースの集客

ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。