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ネットショップの転換率は「お尻」から改善していくのがセオリー!?【no.0791】

 ネットショップのあるあるストーリー、「鬼切社長シリーズ」。(前回はこちら

「お尻っ!?」

 麻間(あさま)さんからのメールを読んだ七海さんと友花里さんは、ほぼ同時に「お尻」という単語に反応しました。七海さんは友花里さんのお尻をペンペンと叩きながら、「オシリってここのことだよねぇ」といいました。

 友花里さんが「痛いからやめてよー」といっても、七海さんは友花里さんのお尻を叩くのをやめず、ペンペンと叩きながら「ここだよねぇ。ここだよねぇ。ここのことですよねぇ」と遊んでいます。友花里さんは「やめろオラァ!」と大声を出し、七海さんの手を振り払いました。

「ヒントは、お尻。そこから先はおふたりで考えてください」

 麻間さんのメールはそこで終わっていました。「オシリって、なんのことだろうねぇ」。そういってまた友花里さんのお尻を触ろうとする七海さんの右手を制しながら友花里さんはいいました。

「う~ん。たぶんだけど、麻間さんが表現する『お尻』ってのは『最後』ってことだと思うの。ネットショップの運営で『最後』っていうと・・なんだろう」

 七海さんが突然パンっと手を叩いていいました。

「ネットショップの運営で『最後』っていったら、やっぱり物流じゃない。お客様から注文をもらって、商品を発送してそれで注文のひと通りの仕事が終わるんだから。もしくは、アフターフォローのカイゼンとか、ご利用ありがとうございますのメールとか、麻間さんはそういうことをおっしゃってるのかなぁ・・」

 七海さんがいっていることも一理あるように思えましたが、友花里さんはあまりしっくりきていないようです。

「アフターフォローもサンクスメールも大切だとは思うんだけど、それってここで麻間さんが宿題として出している『転換率』を上げるためのカイゼン点じゃないような気がする。あくまで、アフターフォローもサンクスメールも『商品を購入いただいた後』におこなう施策じゃない。私たちが考えなきゃいけないのは、『商品を購入いただく前』のカイゼン点だと思うの。この『商品を購入いただく前』の『最後』、麻間さんが意図するところの『お尻』って何だろうって思って」

 友花里さんの話を聞きながら、七海さんはノートパソコンを立ち上げていました。そして、ブラウザのブックマークに入れているネットショップをいくつか開き、パソコンの画面を友花里さんの方に向けていいました。

「じゃあ、いまから私たち自身がネットショッピングをして、『お尻』って何のことか探してみない?」

 七海さんと友花里さんはいくつかのサイトを一緒にみました。ブックマークをしているサイトは、アクセス人数を上げるための施策を検討しているとき参考にしていた独自ドメインのネットショップです。七海さんと友花里さんは「いまこんなイベントやってるんだぁ」「この商品ちょっと気になるねぇ」といいながら複数のネットショップを同時進行で回遊していきます。その中でもひとつ七海さんが非常に気になった商品があったようです。

「ごめん、友花里。ミーティング中で申し訳ないけど、私この商品買うわ」

 そういうと、七海さんは「え~っと、はじめて買うからよくわかんないんだけど、このお店は・・」とブツブツつぶやきながら、WEBページをスクロールしてフッターの情報をみました。そして、フッターをみた後、もう一度WEBページをスクロールしてヘッダーに戻り、「会社概要」をクリックしました。「あー、東京に実店舗もある会社さんなのね・・」。また七海さんはブツブツつぶやきながら商品ページに戻り、「カートに入れる」のボタンをクリックしました。

 七海さんが次の画面で情報を入力しようとすると、友花里さんがマウスを握る七海さんの手をおさえていいました。

「七海、ちょっと待って。もしかしたらここが『お尻』なんじゃない」

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ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。