ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

ネットショップの規模別の課題。「売上ゼロ」のフェイズ。 【no.0180】

 イーコマース事業をすでにスタートしている方、これからスタートさせる方、一度スタートしたけれど再スタートを切りたいという方、様々な方がいると思います。

 すでにネットショップをスタートさせている方には、過去は売上が取れていたけれど今は取りづらくなったという方や、いまは順調に伸びているけど市場の変化に負けないようにどんどん仕掛けていきたいという方もおられます。これからネットショップをスタートさせる方には、これまで母体としてきた事業の市場の伸びが止まっているため新たにインターネットというチャネルに販路を広げたいという方や、事業自体をインターネット中心に切り替えたいという方もおられると思います。また、過去に一度ネットショップをスタートしたけれど、イーコマース事業が中止もしくは停止状態になっている、しかしやはり、なんとかしてインターネットに商機を見出したいという方もおられます。

 そこで、イーコマース事業の規模別の課題を共有していきたいと思います。なお、これから紹介する規模別の課題は、インターネット専業か母体となるビジネスがあるか、母体のビジネスにはブランド力があるか、どんな商材を扱っているかなどによって、若干異なるので、数字での規模の表現はあくまで目安として捉えてもらえればと思います。ここでは、母体となるビジネス(ブランド力はそれほどなし)がある会社がイーコマース事業を始める、もしくは再スタートするイメージで書いていきます。では参りましょう。

 まずは、イーコマース事業をスタートした直後。売上ゼロのフェイズです。楽天市場か、Yahoo!ショッピングか、ショッピンモール系に出店をするのか、はたまた自社サイトで出店をするのか、ひとまずamazonに出品してみるのか、特に、インターネット専業の会社でなければ、母体となるビジネスを動かしつつ、どこで誰がネットショップを運営していくのかが課題になります

 できれば、インターネット事業開発費として特別に予算を組み、商品の知識がある既存のスタッフの中から、インターネット事業担当として専任を置くのが望ましいです。売上ゼロの時点では、他の業務とネット業務の兼任で仕方がないと思ってしまいがちですが、売上が伸びたら専任にするのか、専任にしないと売上が伸びないのか、と考えると、専任という選択の方がより成功に近いのは間違いありません。ただし、専任をつけたから「必ず」売上があがる、というわけでもありません。ある程度時間がかかります。すぐに売上が出ると思って専任をつけると痛い目にあいます。まず大前提として、イーコマース事業を「続ける」というところをベースにして、最初の選択をするのが良いかと思います。

 そして、売上ゼロのフェイズでまず困るのがWeb制作のスキルがないことです。もし、たまたま既存のスタッフの中で、HTMLやフォトショップなど、Web制作をかじったことのある人がいれば良いのですが、そんな都合の良いことはあまりありません。そこで考える選択肢としては、ひとつは「外注」もうひとつは「採用」の2つがあると思います。

 まず、「外注」です。外注業者にWeb制作をお願いすれば、使いやすく見栄えの良いサイトを作ってくれますが、それでは根本的な解決にはなりません。ネットショップを運営していくのは自分達ですから、自分達でサイトを更新できなくてはいけないわけです。ネットショップの更新も外注業者にお任せすることができますが、それではいくらお金があっても足りません。本気でイーコマース事業を成功させたいのならば、まずは腹を括って、全部自分達でやるくらいの気持ちが必要です。外注業者の使いどころは更新にあまり関わらないページや、骨組み部分だけをお願いするだけで十分です。腹を括れないならば、運営代行業者にまるっとお願いしてしまう方が良いと思います。

 次回は、もうひとつの選択肢である「採用」の話から。

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石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。