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売れまくるUGG(アグ)と百貨店の残念なシステムの話。【no.0414】

 売れまくるUGG(アグ)と百貨店の残念なシステムの話。(2014/11のリライト)

百貨店の機会損失はもったいないなぁ、という話

 うちの嫁さんが「アグが欲しい。アグが欲しい」と言い出しました。以前から「アグが欲しい。アグが欲しい」と繰り返し言ってはいました。ちなみに「アグ」って何かというと「UGG」と書いて「アグ」なんですね。男性にはそこまで馴染みがないかもしれませんが、ムートンブーツのブランドです。

 いままで4,980円のノンブランドのムートンブーツを履いていたうちの嫁さん。突然「UGG(アグ)が欲しい」と。「それいくらぐらいすんの?」と聞いたら、「3万円ぐらいする」と言うんですね。うわー、ムートンブーツなのに結構しますなと。もちろん、私はお金を出す気はありません。

 「自腹で買うからついてきておくれ」と、まず三井アウトレットパークに行きました。往復3時間くらいかけて行きました。しかしお目当ての商品がなかったらしくその日は帰宅。それで翌週、大宮で何店舗か見てみようということで行きました。なんとこちらはお目当てのカラーがどこにも無くて断念。大宮から池袋まで戻り、UGGの直営店に行きました。結局「最初からそこ行っとけよ」という話なんですが。

UGGの直営店はまさに黒山の人だかり

 直営店が入っているデパートにやってきました。UGGのお店は遠くからでもわかるくらい黒山の人だかり。隣の靴屋さんが少し惨めになるくらい沢山のお客さんがいました。

 お客さんが常に15人くらいいて、店員さんが3人。秋から冬になる季節(最盛期)ってのもありますし、UGGが人気なのもあります。それに加えて、お客さんが購買意欲マンマンなんですよ。なんてったって、ショップの中から離れていかない。お目当てのカラーとサイズを依頼するタイミングを横目で伺っているのがわかるんです。つまり、ショップの中にお客様が滞留しているんです。

 「バンバン売っちゃえばいいのに、なんでこんな滞留してるのかなー」と思って見ていました。気づいたのがお客さんの支払いの度に、現金やカードを持ってどっかにいっちゃうこと。これはフロアで支払いを一元管理しているレジまで、会計をしに行ってるわけです。

 UGGのショップは総合レジから遠く。店員さんが会計の度に毎回30メートルくらいを往復しているんですね。それに時間がかかっています。(おそらく店内を走ってはいけないという規定があり、店員さんみんなMAX早歩き)

システムが販売の邪魔をしてしまっている

 百貨店に出店しているショップは、売上の何割かをロイヤルティとして百貨店に支払うことになります。なので、ショップで会計をすることはできず、総合レジで会計をする。おそらく総合レジ担当が百貨店のスタッフなんですね。とても非効率なんです。これ、クラウドとか使えば簡単に解決しそうな気が。

 ただ困っちゃうのはお客さんです。UGGでは常に5人10人のお客さんが待っていました。百貨店のこのシステムに「あーあ、機会損失にならなきゃいいけど」と思いました。と同時に、「3万円のムートンブーツがポンポン売れていくUGG(アグ)のブランド力ってどんだけ!?」とも思ったわけです。お客様は待ってくれているるので、機会損失は少ないんだろうけど・・。

 ホント、30分間で10足は売れていましたから、時間で20足60万円。1日で300万円くらい売れているのかもしれない。しかも1店舗で。この時期だからだとは思うけども。「春と夏、何を売るんだろう?」と思いつつも、「ムートンブーツのブランド」という尖がりはすごいですね。

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石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。