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キャンドゥの「ジグザグ作戦」。ちょっとした工夫に努力と「違い」が隠されている【no.0562】

 最寄りの駅の駅ビルの中に、100円ショップの「CanDo(キャンドゥ)」がありまして、日用品を買うのに重宝しています。といっても、大多数の利用はお菓子なんですけどね。ははは。

 正直100円ショップのお菓子って安いのか高いのか、よくわからない部分もあるんですけれども、100円いうだけで何だか得をした気分になるので、ついつい足を伸ばしてしまうんですね。キャンドゥにいく間にコンビニもあるんですけど。

 で、キャンドゥで商品を選んでいたら、不思議なことが起こったんです。あるお菓子を棚から取ったところ、その次には別のお菓子が出てきたんです。わかりますかね。棚のスペースに同じお菓子が並んでいなかったんですね。

 「あー、これは誰かが他の棚から取ってきて、適当な場所においてしまったんだな」。よくあるじゃないですか、こういうこと。他のお客さんも迷惑するし、店員さんも迷惑するし、お店にとっては正規の棚の商品の機会損失になってしまうし、私みたいな善良な市民は進んで元の棚に戻してしまうタイプなんですけども。

そんなこんなで、そのお菓子を手に取り、正しいお菓子の位置を探したのですが、これが見当たらない。見当たらないんだけども、かといって、このお菓子を適当な位置においてしまうと、自分が「適当な場所においた人」になってしまうので、困ってしまうわけです。

 そう思ってウロウロ、困っていると、あることに気がつきました。ちょうど、お菓子の棚を横側から見たときのことでした。先頭にあったお菓子Aと、次にあったお菓子Bが異なっていたため、私はお菓子Aの位置が間違っていると思い込んでいたんですが、実は、お菓子Bの次にあるお菓子もお菓子Aだったんですね。

 わかりづらくてすいません。つまり、この棚には、元からお菓子Aとお菓子Bが交互に並べられていたんです。なので、お菓子Aがどこかの誰かさんによって適当な位置におかれたわけではなくて、意図的にお菓子Aとお菓子Bを同じ棚においていたというわけなんですね。

 「おー、なんだこりゃ」と思って、他のお菓子の棚をよく見てみると、お菓子Cとお菓子Dが交互に並んでいる棚があったり、お菓子Eとお菓子Fが交互に並んでいる棚があったりします。もちろん、お菓子Gだけが並んでいる棚もあります。

 同じ商品で棚に一列並んでいるのが普通じゃないですか。スーパーにいっても、コンビニにいっても、商品をひとつ取ったら、次の商品が別の商品だなんて思わないじゃないですか。こんなことが起こって、少しビックリしちゃいました。

 気になるのが「じゃあ、なーんで、キャンドゥはこんなことをしているんだろう」というところですよね。

 浅い考え方かもしれませんが、思うに、限られた店舗のスペースにできるだけたくさんの商品を出すためのひとつの工夫なのではないかと。実店舗のビジネスは、スペースが決まっていて、レイアウトが決まっていて、導線が決まっていて、棚が決まっていて、もちろんそれらを最適化することはできるんですが、上限は決まっています。

 そんな限られた条件の中で、「できるだけ商品をお客様に提案する」というところから、このお菓子ジグザグ作戦が考えられたのだと思うのです。考えてみれば、キャンドゥにおいてある商品はすべて「100円(税別)」のはずなので、同じ棚に「100円コーナー」みたいなノリで商品をゴソッとおいたとしても変ではないですよね。これ、スーパーじゃ絶対にできないことです。個々の商品で価格が異なるので。

 そんなこんなで、キャンドゥの「裏のルール」を見た、という話でした。もしかしたら、戸田公園駅店限定の工夫なのかもしれませんが、お近くのキャンドゥにいくことがあれば、ぜひお菓子ジグザグ作戦をチェックしてみてくださいね。

 おわり。

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ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。