著者:石田 麻琴

「掃除をすると売上が上がる」は本当なのか?嘘のような誠の話【no.0558】

 「掃除を徹底すると売上が上がる」というのは、嘘のような誠の話のようです。

お客様が見るはずもないところまで徹底的に

 元弊社取締役で元ダイヤモンド社社長の故岩佐豊さんがよく話していたのが「紅虎餃子房」の話でした。

 紅虎餃子房は掃除を徹底しています。新規開店する店舗にスタッフを集め、「さあ、これから店内を掃除するぞ」といって、徹底的に掃除をさせるというのです。2時間か3時間くらいでしょうか。「掃除が終わりました。もう掃除するところはありません」という状態になります。大切なのは、ここからです。

 「じゃあ、おしぼりを100本持ってこい」というようなのです。用意されるのは、お客様に出すおしぼりです。おしぼりで蛍光灯の裏側を拭いて「まだ汚れているじゃねぇか」、椅子の足の床と接している部分を拭いて「まだ汚れているじゃねぇか」と、「お客様がわざわざ見るわけもない」部分を「汚れている」と指摘していくというのです。掃除はやり直しになります。お客様が見るはずもないところまで徹底的に掃除をするのです。

 これを徹底すると、新規開店の店舗は必ず黒字になるといいます。嘘のような誠の話です。

例外を一切作らないことで、徹底する環境をつくる

 「掃除を徹底して売上を上げている」。そのような話は、ひとつふたつではないと岩佐さんは言っていました。実は、私がよく知っている会社でも、「掃除」そして「整理整頓」を徹底している会社があります。

 オフィスにお邪魔すると、いつも床がピッカピッカできれいです。本当に、チリ・ゴミひとつ落ちていません。聞くところによると、掃除が人事評価に大きく関わっていると言います。毎日、掃除のスケジュールが決まっており、掃除の時間はアポイントを絶対に入れません。掃除が最優先事項ということになります。例外を一切作らないことで、徹底する環境をつくっているわけです。

 また、社内にある備品も、漏れなくその定位置が決まっています。床や壁にシールが張ってあり、使用後に必ず元の位置に戻すことが徹底されています。整理整頓の徹底です。

オフィスのデスクの「引き出し」を捨てる理由

 この会社の方に聞いた話でもっとも興味深かったのは、オフィスのデスクの「引き出し」を捨てるという話でした。新入社員が入社すると、新しいデスクを購入します。しかし、デスクについている「引き出し」はその場で捨ててしまうというのです。デスクではなく「引き出し」だけが捨てられるため、粗大ごみの収集業者さんが驚くといいます。「これだけ捨てちゃっていいんですか?」と。

 なぜ「引き出し」を捨てるのか。それは、デスクに引き出しという収納があるから「余計なものを残しておく」「プライベートなものを残しておく」のだ、という理屈からです。整理整頓の極地です。ですから、この会社では共用のカラーボックスに文房具等々を用意しています。はさみも付箋もマーカーもホッチキスも、スタッフが全員同時に使うことはほぼありませんから、共用で1つ2つ用意をしておけば良いというのです。

習慣化すればそれほど負担にはならないことばかり

 私自身、もともと掃除や整理整頓が好きなタイプではありますが、これらの話を聞いてさらに自分の中での意識を強めることになりました。仕事が終わったら、デスクを必ず整理整頓して帰る。定期的に書類を整理する時間を設ける。目立ったゴミは、無視せずその場で処理する。自分を強く縛らなくても、習慣化すればそれほど負担にはならないことばかりです。ちょっとしたことです。

 掃除が苦手、という方もいると思いますので、まずは週に1回30分、掃除の時間を設けることから始めてみてはどうでしょう。「時間ができたら」「気になったら」「自分のタイミングで」等ではなく、先に時間をスケジューリングすることが大切です。「少しずつ、でも着実に」が大切です。

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