著者:石田 麻琴

商品マスターの作成は、在庫管理とデータ分析のため。 【no.0128】

 Eコマース事業はもう数年やっているんだけど、きちんとした商品マスターは作っていなくて・・みたいな事業者さんは、意外に多いと思います。「あー、きちんとした商品マスターをつくらなきゃなぁ~」と思うときに多いのが、ネットショップを多店舗展開することを考え始めたときであり、販売チャネルの在庫連動をしなければならなくなる局面で商品マスターの必要性に直面します。実店舗であれば、POSを導入するときに商品マスターが必要になりますしね。やはりデータ化には商品IDの作成が不可欠なわけです。

 商品マスターを作って、商品IDを設定して、きちんと在庫管理をするだけでなく、他にも商品マスターを作ることには良い点があります。大きなメリットのひとつはデータ分析ができるようになることです。逆に言えば、後々のデータの分析を想定して商品マスターを構築しておくことが、Eマース事業の運営上望ましいわけですね。商品マスターを作成する際に、どのような項目を入れておくと後々のデータ分析がしやすいかを考えてみます。

1:必要不可欠なもの

 まず、商品マスターを作成するときに、必要不可欠な項目です。極端なことを言ってしまうと、商品IDと商品名のふたつの項目を設定しているだけでも、商品マスターは成り立ちます。この商品はこの商品IDです、という定義だけをすればいい場合です。これだと後からデータ分析ができるのは、商品IDごとの販売実績だけになってしまいます。

2:仕入れに関する情報

 商品の仕入れ値、仕入れ先は商品マスターに入力しておきたい項目です。仕入れ先における仕入れ先での商品IDや仕入れ先における商品名、商品の発注を出したときの納期、発注の際のロット数なども、入力しておくのが良いですね。これで商品の原価率や、仕入れ先ごとの販売実績、目安の納期と実際の納期の差異などがデータ分析できるようになります。

3:商品に関する情報

 自社のネットショップにおける商品カテゴリ、販売価格は入力したい項目ですね。商品が同梱で購入された場合、別途計算のシステムが必要になりますが、商品のサイズ・大きさを入力しておくと、発送時にどの梱包材(ダンボールやメール便)を使えば良いかが自動計算できるようになります。入荷日や配送業者なども入力できる情報です。どこの倉庫から発送になるかも入れておいても良いですね。

 まずはこのあたりの項目を中心として、あとはネットショップごと商材ごとに必要な項目を商品マスターに加えていくことになります。後々、「あー、この項目足したい!」というものが必ず出てくるのですが、後からだとすでに商品のサンプルがなかったり、書類が残っていなかったりして、入力できなくなるおそれがあるので、商品マスターを構築するときに、できるだけ内容を詰めておいた方がいいですね。

商品IDを「商品情報+通し番号」で作成する

 また、データの分析をより簡単にするために、商品IDを「商品情報+通し番号」で作成する方法もあります。例えば「仕入れ先(アルファベット2つ)+納期(○W)+販売チャネル(アルファベット)+配送業者(アルファベット)+入荷日(番号)+商品カテゴリ(番号)+通し番号(5桁)」と設定して、「EC2WJY14012200001」=「仕入れ先(EC=ECMJさん)+納期(2W=2週)+販売チャネル(J=自社サイト)+配送業者(Y=ヤマトさん)+入荷日(1401=14年1月)+商品カテゴリ(22=トップス)+通し番号(0001)」というような感じです。

 商品IDをうまく使うことで、「先頭にECを含むもの」とか「自社サイトでの販売」とか、IDの分解をするだけで、データ分析ができるようになります。ただ、これをやる場合の注意点としては、IDの桁数を揃えておくことと、不変の情報のみをIDに含んでおくことがポイントになります。仮に後々商品の配送業者が変わった場合など、商品IDも変えなくてはいけないのは大変ですから。