著者:石田 麻琴

目指せゴルフ場の勝ち組。市場縮小に勝つマーケティング。五【no.0082】

「リピート数」を最初に追う、その理由は‥!?

 前回のコラムでは、最初に追っていく指標として「リピート数」が良いかと思われること。リピート数は、2回目以上の来場者を指すこと。過去12ヵ月のリピート数を出すこと。過去12ヵ月のリピート数に1.1倍をかけて、目標とすること。などを書きました。目標を設定する際、2倍・3倍などという、現実味のない目標をいきなり立てないこと。意識を上げても、思考と行動がストップしてしまうので、高い目標の設定はあまり意味がないということです。もちろん、将来的な高い目標を持つな!ということではありません。高い目標やプランを持ちつつも、今の確実な1歩を行動することが重要ってことですね。

 若干繰り返しになってしまうのですが、なぜ「リピート率」を追わないかです。

 「リピート数」よりも「リピート率」の方が重要じゃない?と思う方もいると思います。「リピート率」確かに重要です。ただ、戦略を現場の行動に落とす場合、割り算で出てくる数字を目標にするよりも、足し算で出せる数字を目標にする方が、ずっと腹に落ちますし、施策の実行を起こすのも楽になります。むしろ、戦略は現場において、すべて足し算の行動に落とし込まれるべきです。

 「リピート率」はあくまで割り算です。分母があって、分子があります。この場合、分母は1ヵ月の来場者数、分子はそのうちのリピート来場者数ということになります。果たして、現場の人間が「リピート率」を目標としたときに、日々の仕事と改善活動において、分母と分子を共に意識しながら行動することが直感的に可能か?ということです。この直感的というのが重要です。新規の来場者に対してキャディさんが接客をする、もしくはフロントの電話受付担当さんがプレー予約を受ける。その場合に、「このお客様がリピートして下さることで、リピート率が10%改善‥!」とかいちいち考えられないですよね。頭で計算するのも面倒ですし、なにより分母が動く可能性があるのですから。

足し算を目標にした方が行動が明確になる

 それよりも「リピート数」という、足し算を目標にした方が、より行動としては明確になります。目の前でプレーをしている新規の来場者、受付にプレー予約の相談を電話でしてくれたお客様、どちらも2回以上の来場をしていただければ「リピート数」が上がるわけですから。頭の中で計算をするよりも、ただシンプルに目の前のお客様に誠実に接すればいいわけです。そうすれば「リピート数」が上がる可能性がある。こちらの方がわかりやすく、直感的で、なおかつ日々の行動習慣に結び付けやすくなるのではないかと思います。

 例えば、営業の仕事でも同じだと思います。平均して月10件の成約を取れる営業が、月に11件の成約を目標にするとします。月10件の成約を取るためにしていたことが、アポ電1,000件、アポ100件、成約10件だとすれば、アポ電を1,100件に増やせば理論上、目標の達成は可能ですよね。1日に40件かけていたアポ電を44件に増やせばいいだけです。もちろん、永遠にアポ電の数を増や続けていくのは難しいので、現在アポ電からアポ、アポから制約の各々10%の引き上がり率を11%にできないかを考えていくわけなのですが、目標は数に落とした方がわかりやすく、それはスキルやノウハウではなくて「意志で」達成できるようになります。

 前にどこかに書いてあった気がしたのですが(それかNHKのスペシャルで見たのかな?)、メジャーリーグのイチロー選手も、打率ではなく、安打数を基本的には見ているとか。今日は5打席中3打席打とうとか、今日は2安打欲しいとか、そういうことを考えて試合に臨んでいると言っていた気がします。率よりも数の方が、直感的でわかりやすく、目の前のことに集中できるんですよね。たぶん、そういうことなんだろうと思います。

 続きはこちら。
目指せゴルフ場の勝ち組‥!市場規模縮小を生き抜くためのデータマーケティング【六章】

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