ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

ネットショップは「スキルの高さ=売上」ではありません!【no.0949】

 前職のネットショップの仕事を始めたときに、最初に驚いたのは「一見、写真がイマイチでも商品は売れる」ということでした。

 当時のネットショップのヒット商品は「天使の羽根」という、羽根に小さな宝石がついているピアスでした。この「天使の羽根」の画像は、少しガビってたんですね。発売したのは私の入社前だったようですから、当時の撮影スキルだと少しガビったようになってしまったようなのです。

 しかし、この「天使の羽根」は売れていました。低価格ということもあったのでしょうが、一度の広告で何百個と売れていた記憶があります。入社したばかりの私にとっては、「こっちの写真の方がかっこいいのになぁ」という感じの画像もたくさんあったのですが、それはあくまで主観であり、お客様が魅力に感じる「何か」が「天使の羽根」の画像にはあったのでしょうね。

 同じように驚いたのは、ネットショップのWEBサイトの作り(作り方)が非常に簡単だったことでした。売れているWEBサイトの作りって、てっきり凝っている(当時だとフラッシュとかを使っていそうな)というイメージがあったのですが、本当に「これだけ!?」というような感じでした。それまでHTMLは触ったこともありませんでしたが、すぐ覚えられましたから。

 「スキル=売上」「技術力=売上」・・ではないんだなと、目からウロコが落ちました。

 画像加工のスキルよりも、本質的には「撮った写真が魅力的であること」の方が重要で、光の当て方とか構図とかを研究する方が実は重要です。ページ制作のスキルよりも、シンプルでわかりやすく、尚且つ統一感があることを気にする方が実は重要なんですね。

 なので、「ネットショップで売上を上げる」ということに関しては、コンピューター的なスキルはそれほど必要なかったりします。イラストレーターとかフォトショップとかドリームウィーバーとか、ソフトを使いこなさなきゃ売上が上がらないんじゃないか、たくさん覚えなきゃいけないんじゃないか、とどうしても考えてしまうと思うんですが、そんなことはないです。むしろ、かなりオーバースペックなんですよね。どのソフトも。

 たとえば、「ネットショップにのせるバナーの作成」ということであれば、いくつかの機能を使えばなんとかなります。新規ファイルの作成、境界線や背景色の入れ方、文字の入れ方、画像やイラストののせ方、文字やイラストのどれが前面にくるかを設定するレイヤーの理解、あとは保存と書き出し・・こんなもんです。未知の発想などはなく、あとはどのボタンでこれができるかを知ればいいだけです。レイヤーも新しい概念ぽいですが、パワーポイントでいう「最前面に表示」と同じことです。

 そんな中でも「そこそこカッコイイ画像(バナー)を作りたい!」という場合、ここもスキルではなく他の部分でカバーすることができます。「かっこよく」見せるためのポイントは、フォントとカラーとバランスです。

 パソコンのフォントの選択肢を増やして、おしゃれなものを入れれば、それだけで「かっこよく」見えます。カラーもソフトのそのままのものを使わず、若干の濃淡をつけると途端に「かっこよく」なります。複数のカラーを使う場合は、色見本を使えば簡単です。あとは、バランス(文字の大きさやカラーとの兼ね合い)はセンスか関わるところですが、他のWEBサイトのバランスをみて真似るところから始めてみるのが良いでしょう。

 いずれにせよ慣れるまでには時間がかかりますから、まずは「始める」ことですね。

 おわり。

 

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石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。