ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

会社の評価制度を変える。ネット活用の前に立ちはだかる本質的課題【no.1024】

 今回のブログですが、ぜひ経営者の皆さんに読んでもらいたい内容です。そして、ネットショップの担当(WEBサイトの担当)になった方は、「社長、こんなブログ見つけましたよ」と教えてあげてください。

 インターネットを活用するということは、その成果でスタッフの皆さんを評価する、ということでもあるということです。

 インターネットを活用してモノやサービスを売りたいという会社さん(Eコマースパターン)、インターネットを活用して新規顧客のリードを獲得したいという会社さん(BtoBパターン)、インターネットを活用して実店舗へお客様を誘導したいと考えている会社さん(リアルパターン)、いずれの会社にも必要なことです。

 インターネットを本格運用するならば、スタッフさんを評価する仕組みをつくりましょう、ということです。

 これはネットを活用するすべての会社に当てはまることです。唯一、例外があるとすれば、インターネット専業の会社です。インターネット専業の会社は、ネットからの売上がそのまま会社の業績になり、業務もすべてネットの売上に繋がっていますから、おのずと評価の仕組みができていきます。

 注意したいのは、いままで母体となるビジネスをやられてきて、さらに販路を拡大するため、インターネットを活用するという会社さんです。おそらく、インターネットを活用する会社の90%はここに該当するかと思います。

 いままで小売り、実店舗をやられていて、ネットショップに販路拡大を求めている会社さん。いままでメーカー、卸をやってこられて、ネットショップに販路拡大を求めている会社さん。いままでリアルの営業をベースにやられていて、WEBサイトでの販路拡大を求めている会社さん。チラシやポスティング、新聞・雑誌の広告をメインにされていて、WEBサイトに販路拡大を求めている会社さん。すべてです。

 ポイントは、インターネット担当(WEB担当)が専任であるか、兼任であるかではなく、会社全体としてインターネットを後押しできるような評価制度がつくれるかどうかです。

 インターネットで販路拡大を狙う場合、その戦略に関わるのは専任もしくは兼任のインターネット担当者ではありません。商品の仕入れや在庫管理、基幹システムとの連携、物流の運用、電話サポート、実店舗での告知など、母体事業の多くのポジションがその成長に関わってきます。インターネット活用の成功は、会社全体の問題なのです。一丸となって取り組めるか、ここが重要です。

 例えば、小売り、実店舗をやられている会社がネットショップに販路拡大を求める場合。ネットショップ担当者への評価制度をつくると同時に、実店舗担当者の協力体制への評価制度をつくらなければいけません。なぜなら、お客様にとって実店舗を利用しようと、ネットショップを利用しようと、「同じ」なのですから。

 これがネットショップ担当者の評価は「ネットショップの売上」、実店舗担当者の評価は「実店舗の売上」となると、妙なことが起こります。「ネットショップの担当はお客様を実店舗に流したくない、実店舗の担当はお客様をネットショップに流したくない」ということです。あくまで選択権はお客様にあります。これでは、お客様に不都合を与えることになってしまうでしょう。

 理想をいうならば、実店舗事業・ネットショップ事業という境をなくし、小売り事業としてその成果を統合することかもしれません。評価制度の変更は、当然既存のスタッフへのストレスがかかります。ただ、お客様にとっては「ネットも同じように使うのが当たり前」。インターネット活用の大事な一歩目だと思います。

 おわり。

 

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ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。