ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

もしも明日、ネットショップの担当に任命されてしまったら。その二【no.0859】

 いきなりネットショップの担当をさせられてしまったら・・(前回はこちら

【あらすじ】
 ジュエリーブランドの実店舗で働いている女性が、突然ネットショップ担当に任命された。ネットは初めてで右も左もわからない。はたしてどうする?

 まずやることは、ネットショップのカートを選ぶことではなく、いきなりネットショップのデザインを考えることでもなく、SEO対策の本を買うことでもありません。せっかく実店舗があるわけですから、ここを活かさない手はないですよね。

 社長からの指示は「ネットを使ってウチのお客様を集めてきてね」なわけです。最初にやることは「ウチのお客様」を徹底的に知ることではないでしょうか。

 元々は実店舗の担当なわけですから、お客様をみること、お客様の接客をすることには慣れているはずです。ノウハウやコツも心得ていると思います。もし、実店舗の担当の経験がなかったなら、1ヶ月間店頭に立てばいいだけです。

 ここでみたいのは、実店舗にはどんなお客様がきているのか、です。お客様の年齢層もそうですし、ファッションのスタイルや髪型、仕事、読んでいる雑誌、趣味嗜好などなど、接客をして話を聞きながら、ジュエリーブランドのお客様のモデルを作り上げていきます。そして、このジュエリーブランドの「ザ・お客様」を設定するのです。

 これが社長が表する「ウチのお客様」であり、一般的な言葉でいう「顧客像(ペルソナ)」というやつです。この「ペルソナ」をいかにして、インターネットを使う全国のユーザーの中からお客様として集めてくるか、というのがネットショップ担当者としての仕事になるわけですね。

 次にネットショップをショッピングモールで立ち上げるか、自社サイトで立ち上げるかの二択をすることになります。もちろん当初からショッピングモールと自社サイトの両方に出店するという方法はアリです。ただ、ネットショップの運営に慣れていない状態では、ふたつのサイトをバランスよく運営するのは簡単ではありません。力が二分するので、成功の確率も下がってしまいます。

 もしこのジュエリーブランドに高い認知があり、全国に実店舗を展開しているならば自社サイトでネットショップをスタートさせるのもアリです。ある特定の地域限定でのジュリーブランドであれば、現状のEコマースの市場環境だとショッピングモールを活用するところからスタートするのが無難だと思われます。本当にここはブランド力によります。どっちの選択も間違いじゃありません。

 ネットショップのシステムを決めたら、また「ペルソナ」の工程に戻ります。ここが大事。このジュエリーブランドのザ・お客様というべき「ペルソナ」が、どんなデザインのネットショップなら好んでくれるのか、を考え実装します。答えは意外とシンプルなはずです。実店舗で基調としているカラーやフォントをベースにしてネットショップを組んでいくのが良いでしょう。

 商品ページの登録ですが、まずは実店舗で販売している商品の登録がメインになると思います。実店舗での販売実績データがあるでしょうから、そちらを参考にして「どの商品を推していくか」「どの商品を優先して登録していくか」を決めていってください。ただし、実店舗で売れている商品でもネットショップではイマイチ、実店舗でイマイチでもネットショップだとバカ売れ、という商品が出る可能性があります。

 実店舗の販売実績データはあくまでスタート時の参考として、ネットショップ開店後の運用カイゼンはネットのデータを軸にして、と考えるのが良いでしょう。

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カテゴリー: 0.ECMJコラムALL, 1.Eコマースを始める, 2.Eコマースを続ける, 6.Eコマースの悩み

ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。