ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

カイゼンによって成果は変わる。「やること」自体が重要なわけではない【no.0742】

 ネットショップのあるあるストーリー、「鬼切社長シリーズ」。(前回はこちら

「私が伝えたかった意図を実績という最高のカタチをもって気づいてくれて嬉しいですね」

 七海さんの話を聞いた麻間(あさま)さんはいいました。七海さんと友花里さんは大きく頷きました。

「はい。最初は麻間さんのおっしゃっている意味が正直よくわからなかったのですが・・社長に相談して、友花里とも何度も話し合って、ネットショップを始めてから初めて自分たちで数字を上げることができたので、とっても嬉しいです」

 七海さんの話を聞いて、友花里さんはまた大きく頷きました。

「やっぱり、結果が出ると気持ちが違いますね。たぶん、あれこれ悩んで、あれこれ試していたとしても、結果がともなわなかったら、本当にやってることが正しいのか、進んでいる道が間違っているんじゃないかって疑心暗鬼になっていた気がします」

 友花里さんはそういいました。麻間さんは友花里さんの言葉を受けていいました。

「そうですね。やっぱり結果がともなうと、実践からの学びが違うと思います。ただ、できればですが、結果がともなわなくても、安易に『方向が間違っている』と考えない方がいいかもしれませんね。大体みなさん、そこで努力をやめてしまいますから。疑心暗鬼になる気持ちはわかります」

 麻間さんが苦い顔をしていいました。

「麻間さん、そうですよね。今回はたまたますぐに結果が出たんですけど、そんなにすぐに結果に繋がるものじゃないですしね。自分たちが麻間さんの指示されていることが少しわからなくても、『たぶん自分たちのレベルがまだ追いついてないから、麻間さんのおっしゃることが理解できないんだ!』と思って頑張ります」

 友花里さんが笑いながらいいました。麻間さんも軽く会釈をして「ありがとうございます」とひと言だけいいました。

「さて、七海さん、友花里さん。今回のこのチラシとポスターのカイゼンで、ネットショップを運営していくにあたって非常に重要なことを2つ学ばれたと思います」

 七海さんと友花里さんはメモ帳を取り出し、麻間さんの話をメモし始めました。

「ひとつは、カイゼンによって成果が変わるということですよね。チラシを配ったり、ポスターを掲示したりすることも重要ですが、大切なのは内容をカイゼンして、お客様に興味を持ってもらえるポイントをみつけることじゃないかと思います。チラシやポスターをやるかやらないか、が成功・成長を分けるのではなく、内容やクオリティを上げていくことが成功・成長に繋がっていくということですね」

「麻間さん。そう考えるとポイントカードとか、やらなくてよかったですね」

 七海さんが苦笑しました。

「そうですね、七海さん。実店舗とネットショップの『笹かまオニギリ』を繋ぐポイントカードは否定しませんよ。ただ、ポイントカードも今回のチラシとポスターと同じで、それをやることが重要なわけではなくて、カイゼンをして効果を上げていくことが重要なんですね。これからネットショップ含め、直販事業を強化するにあたって、その部分をしっかり押さえてもらいたかったので、今回は『チラシとポスターのみ』という縛りを入れさせてもらいました」

 「それによって、私たちが苦労したんですけどね!」。友花里さんがイジワルそうにそういって、場が和みます。

「もうひとつは、ネットショップで毎日みることができるデータから、実店舗でおこなったカイゼンの効果を『定量的』に見ることができるということです。七海さん、友花里さん『定量的と定性的』ってわかりますよね?」

 七海さんと友花里さんは顔を見合わせ、「さぁ?」という顔をしました。

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ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。