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ネットショップの規模別の課題「月商300万円」のフェイズ。【no.0267】

 ネットショップの規模別の課題「月商300万円」のフェイズ。(前回はこちら

 さて、前回までは「月商100万円」のフェイズについてお話ししてきました。まず1つ目として、データ分析。ネットショップが月商100万円程度に成長すると、フロントヤード・バックヤードに関する様々なデータを集計・分析できるようになります。2つ目、最初のデータ分析として「商品別・商品カテゴリ別の販売実績表」の作成から始めてみる。3つ目、売上に対する5~10%ほどの費用を使って、インターネット広告へのチャレンジをスタートしてみる。この3つを紹介してきました。今回からは「月商300万円」のフェイズということで書いていきたいと思います。

*受注処理システムの導入、物流アウトソーシング化

 まず、月商300万円のフェイズの課題として挙げたいのが、バックヤードのシステム化・仕組み化ということになります。例えば、お客様の1注文あたりのお買い物カゴ単価(客単価)が3,000円のネットショップだとすれば、月商300万円時の月間の注文数は1,000件ということになります。1日の注文件数は33件、1日の発送件数は50件といったレベルです。月商100万円のフェイズでは、同条件の3,000円の客単価と考えれば、1日の注文件数は11件、1日の発送件数は16件ということになります。

 月商100万円のフェイズであれば、バックヤードのシステム化・仕組み化は、まだまだ大きな課題にはなりません。1日11件の注文であれば、エクセルを使って1件1件管理することができます。1日16件の発送であれば、1件5分として発送にかける時間は80分程度です。まだまだバックヤードについては「自分でできる」というフェイズですし、受注管理・物流管理に力を入れるよりも、ネットショップの新規アクセスを増やす・リピート顧客を増やすことに注力しましょう、という段階です。

 しかし、月商300万円のフェイズに入るとそうはいかなくなります。1件1件、エクセルで注文を管理すると1日33件、少なくとも2時間はかかります。1日の発送件数も3倍の50件です。さすがに、受注管理と物流管理の仕事に5時間6時間を使うわけにはいかないでしょう。そこで、受注処理のためのシステムの導入、物流のアウトソーシング化の検討ということになります。

*自社ネットショップに合うか?を知るために

 まずは、受注システムの導入です。ここはネットショップ専用のシステムが多数出ており、どのシステムも1万円程度~利用することができます。後々の多店舗展開、多チャネル展開にも受注システムの活用は必須になってくるので、月商300万円前後のフェイズから導入し、慣れておくのが良いと思います。受注システムを選ぶ際、気になるのが、「自分達のネットショップのビジネスに合うのか?」というところです。これまでの受注処理のパターンを業務フローとしてエクセル等々に落とし、受注システムの担当者と共有をするのが良いと思います。システムで処理できるか、もしくは他の方法で処理できるのか、相談にのってもらえるはずです。(相談にのってくれない会社は、論外、ということで良いと思います。どの受注システムを利用しても、大切なのは担当者のフォローなので)

 次に、物流のアウトソーシング化の検討です。まず、物流を外注しなくとも、発送のアルバイトを増やすことによって業務をカバーする方法もあります。月商100万円のフェイズで、1人で行っていた発送業務を、月商300万円のフェイズでは3人で行うという方法です。この方法で、自社で発送体制を強化するのも構いませんが、月商300万円のフェイズに入ると、発送人員の他にも、物流管理に大きな課題が圧し掛かります。それが、在庫管理です。

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石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。