ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

リピートしていれば、それは本当のお客様ですか?【no.0260】

 そのお客様は、本当にお客様なのでしょうか?

 リピートをしてくれているお客様は、本当にサービスに満足いただいてくれてリピートしているのか、ということです。私としても、そこにピンとくる解がなく、むしろ皆さんからの意見を頂戴したいところなんです。お客様がどれくらいサービスに満足しているかどうか、それを知るためにどんなアプローチを用意し、指標化して運用改善を繰り返していけばいいのか、いまいちピンときません。

 データ活用関連のセミナーでいつもよく話していることを書きます。

 ディズニーランドとディズニーシー、どっちに多く行くかというとディズニーシーなんですね。理由としては、私の嫁がディズニーシーのアトラクションの方が好きだからです。私は、ディズニーランドでもディズニーシーでもどちらでも良いんです。それで、ディズニーシーに行くと必ず乗るアトラクションが「シンドバッド」なんですね。シンドバッドは、1度ディズニーシーに行くと、3回くらいは乗ります。じゃあ、なんでシンドバッドに3回乗るのかというと、理由は単純で「空いている」から。決してディスっているわけではないんですが、シンドバッドはいつ行っても待ち時間が5分~15分なんですね。すぐに乗れて、10分以上座っていられる。アトラクションとしても決して退屈というわけではありません。でも、本当に私が乗りたいのはセンター・オブ・ジ・アースです。でも、センター・オブ・ジ・アースには1回しか乗りません。いや、乗れません。人がたくさん並んでいて混んでいるので、並ぶのが面倒でどうしても1回になっちゃうんですね。本当は、センター・オブ・ジ・アースに乗りたいけど、毎回シンドバッドに載る回数の方が多いという・・。

 これ、データ集計すると、センター・オブ・ジ・アースの乗車回数が1で、シンドバッドが3なんですよね。ディズニーシーに顧客データがあったとしたら、石田の利用履歴には、本当に乗りたいものが1、なんとなく乗っているものが3になってしまうわけです。もう一度言うと、決してシンドバッドをディスっているわけではありません。(繰り返す方がむしろ変か)こういうことって、どんなサービスでもありえることだと思います。「他にないからリピートしている」という。これが、本当に満足してリピートしているお客様ですか、の意味です。

 現場を知っている人間ならば、「センター・オブ・ジ・アースは待ち時間が長いからでしょ~」とか「シンドバッドはすぐ乗れるし、座れるしね~」という意見は出ると思うんですが、「定性」からくる仮説はひとまずいいとして、その仮説を「定量」的に測るにはどうしたらいいのか、というのが悩みどころです。(もちろん、そもそもシンドバッドに満足していて3回乗っている人もいると思いますし)

 回答の正確性、回答してもらえるかの確実性はともかくとして、考えられるとすれば、アトラクション終了後のレビューということになるでしょう。利用者に数字で評価をしてもらえば、サービスに対する期待値と満足度がわかるでしょうし、アンケートとして文言を残してもらうと微妙なニュアンスを掴むことができます。テキストマイニングによってポジティブワード、ネガティブワードを集計して、定量的な評価を割り出すことも可能です。ただ、サービス利用後、顧客にアクションを起こしてもらうというストレスが単にひとつ増えるだけなので、利用してもらうためには?という現実的な運用改善が必要になりそうですね。顔認証のシステムや、安全バーを握る体温変化などを使い、感情の変化をロジック化すれば自動評価ができそうではありますが。

 表現が少し悪くなってしまうのですが、お客様の忠誠度はいかほどか、ということです。たとえサービスのリピートをしてくれていたとしても、実は競合サービスのレベルが低いからだけかもしれない。ちょっとしたことで他にリプレイスしてしまうかもしれない。リピートしてくれているからとか、ソーシャルメディアでフォローしているからとか、メールマガジンを拒否していないからとかではなく、カスタマーエクスペリエンスをどう指標化できるか、ひとつの課題だと思っています。解がなくてすいません。もちろん、うちの「お客様はこういう方」というように、サービス提供側がはっきり定義してしまうものアリだと思います。

 なんかイメージがある方、教えてください。info@ecmj.co.jpこちらへ。

 おわり。

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ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。