ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

人財の成長力を高めるため『場』と共に与えたい『モノ』。【no.0091】

■BPIAの例会がスタートしました‥!

 先日、私が理事を務めているビジネスプラットフォーム革新協議会(以下、BPIA)の新しい企画「例会」の第一回に参加した。

 例会は毎月一回、早朝に行われる勉強会で、BPIAの副会長である株式会社三技協の仙石社長が担当者。先日の第一回も午前8:00に外苑前にあるオラクル青山センターでスタートだったのだが、私が会場についた午前7:45分ごろには、すでに25人以上のBPIA会員の皆さんが集まっていて、その気合の入りように驚いた。そして、皆さんセミナールームのテーブル(スクール形式)について、朝食として配られたサンドイッチを、少し前かがみでかぶりつく同じような姿勢で食べていて、少し面白かった。どんな偉い方々でも、サンドイッチにかぶりつく姿は一緒なのだなと。(セミナールームに食べ物が落ちないようにしていたのだろうけども)

 第一回目の講師は、BPIAの会長である株式会社シグマクシスの倉重会長兼社長。元は日本IBM株式会社の取締役副社長。1993年プライスウォーターハウスクーパーズコンサルタント株式会社の代表取締役に就任。2004年には日本テレコム株式会社の社長に就任。2006年にソフトバンクテレコムへの社名変更の際に社長を孫正義氏に交代。2007年、RHJインターナショナル・ジャパン代表取締役会長に就任。2008年に設立された株式会社シグマクシスの代表取締役CEOも兼任‥いろいろ端折ってしまったが、書ききれないくらいの実績がある、日本人としては珍しい、いわゆる「プロの経営者」である。

■イノベーションを起こすのは、『人財』‥!

 例会の内容は、私がここで説明すると倉重会長が伝えたものとズレが出る可能性があるし、また私の理解力不足を露呈することになるので、細かくは書けないのだが。イノベーションとは果たして何なのか?企業がイノベーションを起こすためには何が必要か?イノベーションを起こすための土台はどう変化してきているのか?というようなものだったと思う。そして、イノベーションを起こすための最重要のポイントとして話されていたのは「人財」だ。

 倉重会長はこれからの「価値創造モデル」について、「ヒューリスティック」という言葉を使う。「アルゴリズム」に対しての「ヒューリスティック」。「アルゴリズム」の価値創造モデルとは、仕組みが中心で階層型の組織がある管理社会といえる組織。「ヒューリスティック」の価値創造モデルとは、人(能力)が中心でプロジェクトワーク型である自律社会といえる組織。ヒューリスティックな環境をいかに構築していき、自律(自立)した個人を増やしていくかが、イノベーションを創出するための必須事項になる。

■『場』とともに与えたい、もうひとつの『モノ』とは‥!?

 そこで、会場から質問が飛んだ。「そんな社員はどうやって教育すればいいのか?」という質問だ。倉重会長の答えはこうだ。「教育という表現を使うこと自体が間違っている。教育して育つものじゃない。必要なのは『場』だ。きちんと『場』を与えて、あとは勝手に動いてもらえば、自ら学び成長していく」と。正論である。先に活躍ができる『場』があって、初めて人は試行錯誤し、己の本当の実力と向き合い、成長することができる。もちろん、そこに異論を唱える気はないのだが、『場』を与える他に、私だったらもう一つ、社員に与えたいものがある。それが、『成果検証力』だ。

 『場』を与えることで、自らが思うように実践し、成長を高めていくことができる。そこに、『成果検証力』を加えることによって、日々の実践の成果を定性的ではなく、定量的に判断することができるようになり、より加速的にPDCAを回していくことができる。つまり、『成果検証力』をつけることによって、『場』を最大限活用することができるようになるわけだ。

 「何を実践すればいいか?」は定性的にはわかっても、定量的には到底わからない。だから、「何をやるか」を考えるよりも、「やったことが良かったか?」を定量的に判断できる方が、より重要だ。『場』を与え、『成果検証力』を与えれば、あとは個々人の感性を活かして自由に動けば良い。自ら判断し、実践し、検証し、また判断していくのだから。私はコンサルタントとして、『場』を与えることはできないので、『成果検証力』をひたすら与え続けていきたいと思う。

 

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ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。