ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

商売は商品が命。商品企画/商材開拓、「仕入れ」について考える。2【no.0677】

 いわずもがな商売は商品が命です。(前回はこちら

 前回は「仕入れ」の方法のファーストステップについて書きました。ひとつは、インターネットの仕入れサイトを活用した仕入れ。もうひとつは、展示会での仕入れです。このあたりは、仕入れの基本のキであるので、正直競合他店との「差別性」はつきづらいと言えます。いくら提案に工夫をほどこしたとしても、商品が同じだとやっぱり価格競争やサービス合戦になってしまうのです。

 「違い」を出すには、面倒なことをやるしかありません。そこで、自分の足で歩くことが重要です。インターネットの仕入れサイトでは仕入れられない、展示会にも出展していないメーカーはごまんとあります。そんなメーカーを足を使って探していくのです。探し方やアポイントの取り方は前回のブログのとおりです。当たり前ですが、メーカー・卸・問屋さんも「新しい取引先」を常に求めているはずなので、「仕入れる側」のこちらが接触に対して抵抗をもつ必要はありません。

 商談では、「掛け率(原価率のこと)」「購入ロット」「決済方法、締めのサイクル」「売れ筋」「新作の出る時期」「その他取引の方法について」などを聞きます。

 掛け率は、基本的に一定であることが多いので、「掛け率いくつですか?」と聞けば、「上代の55%です」などとさっくり教えてくれるはずです。もちろん、取引額や取引個数が多くなれば「お得意さんなので53%でいいですよ」ということも将来的にはあるでしょうし、逆に「最初の数ヶ月は56%からのスタートでお願いします」といわれる場合もあります。取引のスタートは先方の決まりに従った方がいいですね。

 購入ロットも必ず聞いておきたいところです。1コ単位で仕入れができる商品もあれば、10コや50コ単位でしか仕入れられないものもあります。多くは商材によります。靴の場合は、「アソート」で仕入れをおこなうのが一般的ですから、「黒のSサイズだけ10足」という仕入れができません。「黒のSサイズを10足」買いたいならば「白と茶色と黒のS・M・Lを10足、合計90足」購入することになります。また、OEMの商品であれば、当然100コ200コ単位のロットになりますし、1コ単位での購入が可能でロット設定がなくても、「最低購入金額」が決まっている会社があったりします。「1コ単位でいいけど、1回の仕入れで10万円以上買ってくださいね」的なものですね。

 決済方法、締めのサイクルは契約に近い話です。決済方法は、仕入れ代金をどうやって支払うのか。基本的には銀行振込になりますが、郵便振替であったり、代金引換であったりします。特に、初回の仕入れ代金については「代金引換で!」という会社もあります。また、締めのサイクルは、会社の入金・出金のサイクルと同じで「いつ締めて、いつ振り込むか」ですね。「末締め、翌月末支払い」が一般的ですが、「末締め、翌月15日支払い」や「20日締め、翌月15日支払い」などの決まりを持っている会社もあります。

 売れ筋。自分が目をつけた商品以外の情報も必ず聞いておくのが良いです。特に、「売れ筋」については聞いておきましょう。「自分はこの商品がいいと思う」と「私たちのメーカーの売れ筋はこちらです」というのはえてして異なるものです。自社が考えているターゲット層とメーカー側が想定している(既存の)ターゲット層が異なることがあります。「自分たちはこういうお客様を対象にしている。そういう商品はないか(アレンジできないか)」など、メーカー側との意思疎通を図る機会にもなるので、「売れ筋」の話題は出しておきたいですね。

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石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。